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更新日:2023年8月29日
現在、鹿嶋市の豊郷台地区では、畑地を整備する土地改良事業(畑地帯総合整備事業)を実施していますが、当地区では縄文時代から近世まで多くの遺跡の分布が確認されています。
遺跡(お墓、住居、貯蔵穴、貝塚、古墳、城跡など)が埋蔵されている土地の上で、土地改良事業により一定以上の深さを掘る範囲については発掘調査を行うことになります。
発掘調査の目的は、遺跡に影響を与えてしまう工事を行う前に、そこにどのような遺跡が、どのように埋まっていたかを調べて、その様子を図面や写真に記録・保存することです。
豊郷台地区での発掘調査は公益財団法人鹿嶋市文化スポーツ振興事業団(鹿嶋市どきどきセンター)が行っています。
今回はその発掘調査の様子や出土した住居跡・土器を紹介します。
埋もれた遺構(住居や古墳、墓、井戸、道など、動かすことのできないものの跡)の土は堆積した年代の違いによって色が異なり、層になっています。土の色は標準土色帖を使って判断しています。遺構を掘り下げる際には、基本的にこの層ごとに掘り下げます。
遺跡を掘り進めると、複数にまたがる時代の遺構層が検出されるため、一度掘ってしまうと元に戻すことはできません。そのため、丁寧にそして慎重に発掘を行い、掘り下げていく途中経過も写真撮影して図面で記録します。
上の写真で丸く深い穴のように見えるものが建物の柱の跡です。
住居跡からはかまどの跡も見つかります。上の写真中央で土の色が少し黒っぽくなっているところがかまどの跡です。
上の写真のように、かまどの近くからは土器が見つかることも多くあります。
発掘調査は遺跡に影響を与えてしまうことになりますが、発掘調査で見つかったものを詳細に記録・保存することにより、後世の人たちにも伝えることができるなど、大きな意義があります。
現在豊郷台地区ではこの発掘調査を行っているため、土地改良事業の工事については、調査が完了した範囲から随時始めていくことになります。
豊郷台地区の発掘調査期間は令和7年3月までの予定です。調査で出土した土器は鹿嶋市にある鹿嶋市どきどきセンターで展示する予定です。
鹿嶋市どきどきセンターでは、その他鹿嶋市内で出土した様々な埋蔵文化財を展示しておりますので、お立ち寄りいただければ幸いです。
○鹿嶋市どきどきセンター(https://cs-kashima.jp/maibun/)
〒314-0021 鹿嶋市粟生字十二神2242-1
電話:0299-84-0778/FAX:0299-84-0799
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