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更新日:2024年5月13日
各林業指導所やきのこ博士館、林業技術センターで対応した野生きのこの名前を調べる相談と県内で発生した毒きのこによる中毒の概要を紹介します。野生のきのこは種類を調べ名前を知るのが難しい上、猛毒を持つものもあるので、食用にする場合は、慎重に選別してください。
なお、名前を調べる相談の「種数」は、相談ごとの重複や名前のわからなかったものも積算しています。
件数:441件
種数:549種(うち毒きのこ128種)
2.相談の多い種別相談件数(食用、有毒上位5位までの種名を記載)
食用:ヒラタケ……………………… 56件
クリフウセンタケ…………………… 26件
ワタゲナラタケ1) ………………… 25件
ウラベニホテイシメジ……………… 22件
ナラタケ1) ………………………… 21件
ナラタケモドキ1 )………………… 21件
有毒:クサウラベニタケ…………… 25件
ハイイロシメジ ………………………10件
ミネシメジ …………………………… 9件
ツキヨタケ …………………………… 8件
ニガクリタケ ………………………… 6件
1)過食注意
食用:………………………………………… 0件
有毒:………………………………………… 0件
(1)ヒカゲシビレタケ
7月15日、阿見町在住2名が近所の山林で採取したきのこを調理して食べたところ、めまい、吐き気などを発症し、病院に搬送された。持ち込まれたきのこの形状から、ヒカゲシビレタケと同定した。
(2)ツキヨタケ
10月22日、桜川市在住3名が近所の山林で採取したきのこを調理して食べたところ、嘔吐、下痢などを発症し、病院に搬送された。持ち込まれたきのこの形状から、ツキヨタケと同定した。
令和5年度は野生きのこ類の相談件数が441件で、持ち込まれたきのこの延べ種数が549種となった。昨年度(相談件数469件、延べ種数518種)に比べると、相談件数は約6%減少し、延べ種数は約6%増加した。
水戸地方気象台発表(ホームページ)の「茨城県気象年報令和5年(2023年)」に、令和5年は年平均気温が平年に比べ高く、きのこが例年多く発生する6、9月の降水量が多かったこと、年間日照時間が平年に比べ多くなったことが報告されている。このような気象条件が種数増加の一因と考えられる。
毒きのこの延べ種数は128種と約3%減少した(昨年度132種)。全相談に対する毒きのこが占める割合は、約29%で、昨年度(約25%)より増加した。また、県内で4年ぶりにきのこ・山菜類による食中毒が発生した(2件、上記参照)。
山菜・野草類に関する相談はなかった。
食用きのこの相談件数は5年連続で、1位ヒラタケ(56件)となった。以下2位クリフウセンタケ(26件)、3位ワタゲナラタケ(25件)、4位ウラベニホテイシメジ(22件)、5位ナラタケ・ナラタケモドキ(各21件)となった。1位のヒラタケは、晩秋から冬にかけて発生する、柄がほとんどない大型のきのこであるが、似たきのこに有毒のツキヨタケがあるので、注意してほしい。
毒きのこでは、1位クサウラベニタケ(25件)、以下2位ハイイロシメジ(10件)、3位ミネシメジ(9件)、4位ツキヨタケ(8件)、5位ニガクリタケ(6件)となった。
1位のクサウラベニタケは、食用の4位のウラベニホテイシメジと間違いやすいキノコである。茨城県林業技術センターのホームページに両種の見分け方を掲載しているので参考にしてほしい。
2位のハイイロシメジはカサは淡い灰色を帯び根元が大きくふくらみニンニクのようなにおいがするきのこである。
3位のミネシメジはカサが緑色を帯びた褐色のきのこで、石けんのようなにおいがするのも特徴の1つである。
4位のツキヨタケはヒラタケなどと似ているが、裂くと根元に褐色のシミが出るのが大きな特徴である。
5位のニガクリタケは食用のクリタケと間違いやすいきのこである。ニガクリタケは全体的に黄色味を帯びているのと、きのこをかんで苦いのが特徴である。
食用きのこと毒きのこが混在することもある。令和5年には第3位のツキヨタケによる食中毒が発生しているが、これはヒラタケと間違えて採取されたものによる。1つ1つのきのこをよく見て、慎重に同定してほしい。
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