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更新日:2017年7月28日
生物的防除法とは,病原菌や害虫の天敵となる微生物や昆虫類,性フェロモン等を用いて病害虫の防除を行う方法です。土着天敵のほかに,農薬登録された多くの資材を利用できます。生物的防除法で用いられる資材は,化学農薬と比べて効果が現れるまでに時間がかかることや,使用する環境を整える必要があるなど,利用するにあたってその特性を充分理解する必要があります。
BT剤は,細菌の一種であるバチルス・チューリゲンシスが産生する殺虫性タンパクを主成分とする殺虫剤です。バチルス・チューリゲンシスの種類には,国内ではクルスターキ系統とアイザワイ系統があり,産生する殺虫性タンパクの種類が異なります。一般的にクルスターキ系統はオオタバコガやコナガに対する効果が高く、アイザワイ系統はハスモンヨトウやヨトウガに対する効果が高いとされています。また,BT剤は,生菌剤と死菌剤があり,生菌剤は死菌剤より速効的です。このように薬剤によって個々の害虫に対する殺虫活性が異なりますので,発生している害虫に効果の高い剤を選ぶことが大切です。
性フェロモンは,昆虫の体内から分泌され,性行動に深く関わる化学物質です。性フェロモンを人工的に合成,製造したものが性フェロモン剤です。性フェロモン剤の効果には,害虫の交尾を阻害する「交信攪乱」と,雄成虫を大量に誘引・捕殺して交尾率を下げる「大量誘殺」の二種類があります。次世代の害虫密度を下げる目的で使用するため,できるだけ大面積で害虫が少ないうちから設置することが大切です。
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