令和5年第3回定例会で可決された意見書・請願

《意見書》

《請願》



これからの人づくりに向けた対策の充実・強化を求める意見書

 令和5年4月、国立社会保障・人口問題研究所は、長期的な日本の人口を予測した「将来推計人口」を公表した。これによると、2020年に約1億2,600万人であった我が国の総人口は、2070年には約3割も減少して8,700万人となり、しかも、その1割を外国人が占めると推計されている。

 また、全国の出生数については、2022年に初めて80万人を下回り、統計を始めた1899年以降で最少となったところであるが、さらに、2070年には50万人にまで落ち込むとの見通しが示されている。

 目下、未来を見据えた人づくりの問題に向き合う重要性は、これまでにないほど高まっている状況にあると考えられる。

 そうした中、少子化や人口減少が社会に及ぼす影響を少しでも回避するためには、結婚・出産、子育て、教育を通じた人づくりが重要であることは論を俟たないが、一方、少子化対策が功を奏しても、労働力の面で効果が表れるまでには時間を要するとの分析があるのも事実である。

 以上を踏まえ、国においては、これからの人づくりに向けて、結婚・出産、子育て、教育に関する対策はもとより、外国人材や最低賃金をはじめとした経済・産業に関する取組のような、短期的に効果を上げることが期待できる対策についても充実・強化を図るため、別記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

別記

1 結婚・出産及び子育て関係
 (1)国の責任において、長期的に安定的な財源を確保し、全ての子育て家庭に資する全国一律の制度を構築すること。
 (2)出会いの機会の創出や結婚支援、若い世代に向けたライフデザイン教育などの地方の取組について、地域の実情に応じて柔軟かつ継続的に実施できるよう、地域少子化対策重点推進交付金の更なる補助率の引上げや運用の弾力化を図るなど支援を充実させること。
 (3)2022年4月から不妊治療に医療保険が適用され、負担軽減につながったものの、これまでの助成制度より自己負担額が増加する場合もあることから、保険適用範囲の拡大など抜本的な改善を図ること。
 (4)幼児教育・保育の完全無償化を実現し、支援を課税世帯にも拡大すること。
 (5)「小1の壁」をなくし、切れ目なく子育て家庭を支援するため、放課後児童クラブの待機児童解消をより一層進めるとともに、利用料の無償化を図ること。
 (6)子ども・子育て支援新制度の円滑な実施を促進し、職員の処遇や配置基準の改善などによる「質の向上」を図るため、国が責任を持って必要な額を確保すること。
 (7)保育士等の給与が他の業種と比較し適切な水準となるよう、保育士等の勤務実態に合った公定価格を定めること。その際には、単価の設定や処遇改善について、給与水準が高くなる東京に地方の保育士等が流出することのないよう、適切かつ十分な措置を講ずること。
 (8)保育士修学資金貸付等制度を活用し、保育士資格の新規取得者の確保や潜在保育士の職場復帰が図れるよう、国が安定的な財源を確保すること。
 (9)病児保育事業について、安定的なサービスの提供を図るため、子ども・支援交付金の基本額を増額すること。
 (10)特別支援教育経費について、国の制度では2人以上の障害児を受け入れていないと補助対象にならないが、障害児を受け入れているすべての私立幼稚園等を国庫補助の対象とすること。
 (11)市町村が実施する児童虐待未然防止事業等の財源としている安心こども基金(新たな子育て家庭支援の基盤を早急に整備していくための支援)について、令和4年改正児童福祉法の2024年4月からの施行に合わせ、事業期間を2024年度以降に延長するとともに、補助率の更なるかさ上げや、今後新たに創設される事業への活用等が可能となるよう、柔軟な運用を行うこと。
 (12)子どもの医療費助成制度は、地方自治体が独自に事業を実施しているため、対象年齢や一部負担金の額、所得制限の有無など、自治体の財政力などにより制度が異なっているという問題がある。子どもの医療費助成制度は、国が責任を持って、全国で誰もが等しく医療を受けられる体制を整えることが必要であると考えることから、子ども医療費の公費負担制度を創設すること。

2 教育関係
 (1)通級による指導や特別支援学級、外国人児童生徒への日本語指導など、特別な教育的支援を必要とする児童生徒数が増加している。このため、対象児童生徒数の引下げなどの定数の改善を図るとともに、通級による指導及び日本語指導の対応のための加配定数の充実についても配慮すること。
 (2)学校における不登校、児童虐待の課題等に適切に対応する、社会福祉等の専門性を有するスクールソーシャルワーカーの活用について、持続可能で安定的な制度とするため、スクールソーシャルワーカーの待遇面の向上に向けて、国において財政措置を講ずること。
 (3)学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)と同様の教育活動を自校で柔軟に行うことができる「校内教育支援センター(校内フリースクール)」の設置について、学びの多様化学校と同等に国が積極的に促進するとともに、設置の推進に向けた教員の加配項目の新設や財政措置など更なる支援策を講ずること。
 (4)子どもの発達段階に応じた家庭教育支援について、対面でのアプローチが有効であるため、訪問型家庭教育支援に係る財政的支援の拡充など、家庭教育の更なる充実を図るための方策を講ずること。
 (5)将来の結婚や出産などを考える上で、奨学金の返済が日常生活における負担とならないよう、日本学生支援機構が行う給付型奨学金について、給付の対象世帯に係る所得制限を緩和するなど、より一層の制度の充実を図ること。

3 経済・産業関係
 (1)外国人が特定技能2号評価試験や介護福祉士国家試験を受験する際の配慮として、筆記試験における表記については、日本語のほか英語等多言語による表記を併用し、選択可能とするなど、外国人が受験しやすい環境を整備すること。
 (2)外国人が地域社会の一員として円滑に生活できるよう、日本人と共生できる社会づくりを推進すること。加えて、日本語教育に関し、外国人を対象に学習機会を提供する仕組みの充実を図ること。
 (3)最低賃金の引上げに係る次の事項について特段の措置を講じること。

  • 地域間格差の拡大につながっているランク分け制度を廃止し、中央最低賃金審議会が提示する地域別最低賃金額改定の目安については全国一律とすること。また、地方において、より自主的に地域の経済実態を踏まえて最低賃金額を決定できる仕組みとすること。
  • 最低賃金の引上げにより影響を受ける中小企業・小規模事業所への支援を強化すること。
  • パートなどの短時間労働者が、税・社会保障制度上のいわゆる「年収の壁」を意識して労働時間を抑えることがないよう、労働者本人の希望に応じて働くことができる環境を整備すること。
 (4)産業構造の変化に対応し、労働生産性を向上させていくためには、成長産業又は企業内の成長分野への円滑な労働移動を進めることが重要であることから、デジタル領域の人材育成などリスキリングを社会全体で連携して推進すること。


軽油引取税の課税免除措置の継続を求める意見書

 砕石業や採石業、砂利採取業は、削岩機及び動力付試すい機並びに事業場内において専ら鉱物の掘採、積込み又は運搬のために使用する機械の動力源に軽油を多く使用している業種である。砕石及び砂利は、コンクリートをはじめ、道路等の社会資本や産業基盤の整備に不可欠な基礎資材であるが、近年、その需要は大幅に減少している。また、資機材及び人件費の上昇を製品価格に転嫁することも極めて困難な状況にあることから、経営環境は、厳しさを増している。

 こうした中、軽油引取税の課税免除措置が令和6年3月末に適用期限を迎えることとなるが、仮に課税免除措置が廃止された場合には、課税額分を事業者が負担せざるを得なくなるため、一層厳しい経営環境に陥るのは必至であり、地域産業への影響は、極めて甚大である。

 よって、地域産業を支援する観点から、国においては、軽油引取税の課税免除措置の継続又は恒久化を図るよう強く要望する。


防災・減災、国土強靱化対策の更なる推進を求める意見書

 近年、異常気象の常態化・局地化が進む中、本年6月に改正国土強靱化基本法が成立し、「国土強靱化実施中期計画」の策定が法定化されるなど、国土強靱化の取組が切れ目なく、より継続的・安定的に推進されることになった。

 一方、本県では、平成27年9月関東・東北豪雨、令和元年東日本台風に続き、今般の令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号の影響により記録的な大雨に見舞われ、家屋等の床上・床下浸水や道路の冠水、河川護岸の崩壊など甚大な被害が発生した。

 このような中、近年の気候変動により頻発化・激甚化する自然災害から国民の生命と財産を守るため、令和3年度より新たに対策が重点的・集中的に講じられることとなった「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を着実に実施するとともに、こうした取組の更なる加速化・深化を図ることが極めて重要である。

 また、我が国を取り巻く環境は、ウクライナ情勢や物価高騰による影響などにより、経済の下振れリスクが高まる中、税収の減少や社会保障関係費、インフラ施設等の老朽化対策費の増加など、厳しい財政運営が懸念される。

 以上のことから、下記の事項を実施するよう要望する。

  1. 令和元年東日本台風等により被害を受けた河川等の迅速な災害復旧に取り組むとともに、再度の災害発生を防止するための改良復旧に必要な予算を確保すること。
  2. 「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に必要な予算・財源を確保し、計画的に事業を推進するとともに、「国土強靱化実施中期計画」を早期に策定し、5か年加速化対策後も、予算・財源を通常予算とは別枠で確保し継続的に取り組むこと。
  3. 久慈川の災害復旧・復興などで、迅速かつ機動的に実施されている国の権限代行が円滑に推進されるよう地方整備局等の体制の充実・強化や災害対応に必要となる資機材の更なる確保を図ること。
  4. 排水ポンプなどの浸水対策施設や宅地開発等における排水処理システム(河川への放流や調整池の設置等)が、近年激甚化する豪雨に対応した能力を確保できるよう、施設の構造基準や開発許可基準の見直しなどを含めた抜本的対策を行うこと。
  5. 経済の下支えとなる公共投資を確実に推進していくため、当該公共投資に係る地方負担を軽減する財政措置を講ずること。

食料・農業・農村基本法の見直しに関する意見書

 我が国の農業を取り巻く情勢は、気候変動による食料生産の不安定化、世界的な人口増加、ロシアによるウクライナ侵攻による食料価格の高騰など、様々な問題に直面している。

 また、茨城県の農業経営を取り巻く環境は、自然災害の頻発化・激甚化、生産者の高齢化や担い手不足、資材価格の高騰等により一層厳しさを増している。生産者が資材価格や燃油、電気料金などのエネルギー価格、人件費などの生産コストを販売価格に転嫁できないため、農業経営が不安定な生産者が多いことに加えて、トラック運転手の時間外労働に上限が設けられる「物流の2024年問題」が今後の農業経営へ及ぼす影響も懸念される。農業経営が維持できなくなれば、安全で安心な食料の供給や国土の保全、農村固有の美しい景観の維持が困難となるなど、国民生活へ与える影響は大変大きいものであるといえる。

 こうした中、国においては、制定から約20年が経過した食料・農業・農村基本法について、我が国の農業を取り巻く情勢の変化等を踏まえ、総合的な検証・見直しに向けた検討が進められている。今回の法令の検証・見直しに当たっては、生産者や食料・農業・農村の関係団体の意見を聞くとともに、平時のみならず不測時においても国民に食料を安定的に供給できるよう、食料自給率向上のための施策や持続可能な農業振興策、農村の活性化対策など実効性のある施策が必要不可欠である。

 よって、国においては、将来にわたる食料安全保障の強化や持続可能な農業・農村の実現等に向け、下記の事項について措置されるよう強く要望する。

  1. 食料安全保障の重要性を食料・農業・農村基本法に位置付けるとともに、食料自給率向上のための基本施策を明確なものとすること。
  2. 農畜産物の価格転嫁の実現に向けて、コスト上昇分を反映した価格で消費者に提供する補償制度の創設等、適正な価格形成の仕組みを再構築すること。
  3. 持続可能な農業振興策については、農業経営体など多様な生産者を対象とするとともに、働き方改革や待遇の改善により若い人材を育成・確保する施策とすること。
  4. 農村活性化対策については、多様な人材の活躍推進、地域資源の利活用、都市との交流の拡大等総合的な支援施策とすること。
  5. 様々な情勢下においても持続可能な農業を実現するため、農地の保全や農業生産基盤の強化のための支援施策を充実させること。

ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)に対する適正な診療上の評価等を求める意見書

 交通事故、スポーツ、落下事故、暴力など全身への外傷等を原因として発症する脳脊髄液漏出症 (減少症) によって、日常生活を大きく阻害する様々な症状に苦しんでいる患者の声が、 全国各地から国へ数多く寄せられていた。その後、平成18年に山形大学を中心に関連8学会が参加し、厚生労働省研究班による病態の解明が進んだ結果、平成28年より同症の治療法であるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)が保険適用となった。

 その結果、それまで高額な自費診療での治療を必要としていた患者が、保険診療の下にブラッドパッチ療法を受けることができるようになったが、脳脊髄液漏出症(減少症)の患者の中には、同療法の保険適用(J007-2)の要件に掲げられている「起立性頭痛を有する患者に係るもの」という条件を伴わない患者がいるため、医療の現場では混乱が生じている。

 また、その後の研究で、脳脊髄液の漏出部位は1か所とは限らず、頚椎や胸椎部でも頻繁に起こることが報告された。

 そこで、ブラッドパッチ療法をこの頚椎や胸椎部へ安全に行うためには、X線透視下で漏出部位を確認しながらの治療が必要であるが、診療上の評価がされていない。

 よって、政府においては、上記の新たな現状を踏まえ、脳脊髄液漏出症 (減少症) の患者への公平で安全なブラッドパッチ療法の適用に向け、下記の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 脳脊髄液漏出症 (減少症) の症状において、約10%は起立性頭痛を認めないと公的な研究でも報告があることを受け、算定の要件の注釈として「本疾患では起立性頭痛を認めない場合がある。」と加えること。
  2. ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)の診療報酬において、X線透視を要件として、漏出部位を確認しながら治療を行った場合に、追加で評価されるよう改定すること。

教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度堅持を求める意見書

 学校現場では、子どもの貧困・いじめ・不登校、教職員の長時間労働や未配置など、解決すべき課題が山積しており、子どもたちの豊かな学びを実現するための教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっている。豊かな子どもの学びや学校の働き方改革を実現するためには、加配教員の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善が不可欠である。

 令和3年3月の義務標準法の改正により、小学校の学級編制標準は、段階的に35人に引き下げられることとなったが、今後は、小学校だけに留まることなく、中学校でも35人学級の早期実施が必要である。加えて、きめ細かい教育を進めるためには、更なる学級編制標準の引下げ、少人数学級の実現も不可欠である。

 義務教育費国庫負担制度については、平成18年度に国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられた。厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている地方自治体もあるが、自治体間に教育格差が生じることは大きな問題である。子どもたちが全国のどこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請であり、豊かな子どもの学びを保障するためにも、国庫負担制度の堅持、更には2分の1への復元が不可欠である。

 よって、国会及び政府においては、地方教育行政の実情を十分に認識され、地方自治体が計画的に教育行政を進めることができるよう、下記の措置を講じられるよう強く要請する。

  1. 学校での35人学級を早急に実施すること。また、更なる少人数学級の推進について検討すること。
  2. 学校の働き方改革・長時間労働是正を実現するため、加配教員の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善を推進すること。
  3. 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、地方財源を確保した上で義務教育費国庫負担制度を堅持すること。

ALPS処理水の海洋放出による風評被害対策を求める意見書

 「ALPS処理水」は、多核種除去設備(ALPS)等を用いて、東京電力福島第一原子力発電所で発生した放射性物質を含む水から、トリチウム以外の62種類の放射性物質を海洋放出の際の規制基準を下回る状態まで浄化処理した水のことである。

 このALPS処理水の海洋放出について、国際原子力機関(IAEA)は、国際安全基準に合致しているとする包括報告書を令和5年7月4日に公表した。ALPS処理水が放出されている間も、国際原子力機関は、追加のレビューとモニタリングを実施し、安全性を徹底的に確保することとした。

 これを受け、岸田内閣総理大臣は、漁業者との意思疎通を継続的に行っていくことが重要であることから、安全性の確保や風評被害対策の進捗状況を確認する場を新たに設けるなど、漁業者に寄り添った対応を徹底していくことや、国内における水産物の消費拡大や国外の販路開拓などの支援を強化していくことを関係省庁に指示した。

 このような中、東京電力は、同年8月24日にALPS処理水の海洋放出を始めたところである。現状として、ALPS処理水の海洋放出後におけるトリチウムの濃度は、環境省の海水のモニタリング調査結果で福島県沿岸の11測点で検出限界値未満(7~8Bq/L未満)であり、安全基準を満たすとともに、水産庁によるヒラメなどの水産物の調査でも、検出限界値未満であり、放出前と何ら変わらないと公表している。

 今後も、社会の安全を守り、風評を払拭するため、漁業者等関係者に寄り添いながら、風評払拭対策に万全を期すとともに、国内における水産物の消費拡大等の取組や国内外の理解を得るための徹底した情報公開と丁寧な説明の継続が必要不可欠である。

 よって、政府の責任において、実効性のある風評被害対策を講じるよう求める。


軽油引取税の課税免除制度の存続を求める請願

 現在、弊業界の採取場で使用する軽油については、令和3年4月1日から令和6年3月31 日まで軽油引取税の課税免除措置が講じられ、薄氷の経営に寄与しているところである。

 一方、砕石及び砂利の生産量は、震災復興需要として一時的に増加したものの、依然として低迷しており、弊業界を取り巻く経営環境は一層厳しさを増している。これは、砕石及び砂利の主な需要先であるコンクリート用及び道路用の骨材の需要が大幅に減少し回復の見込みが立たないためである。また、こうした需要が大きく低迷している中で近年の資機材及び人件費の上昇を製品価格に転嫁することも極めて困難な状況にある。

 そのため、仮に課税免除措置が廃止された場合は課税額分を自ら負担せざるを得なくなるため、一層苦しい経営状況に陥るのは必至であり、ほとんどが中小業者で占められる弊業界への影響は極めて甚大なものがある。

 砕石及び砂利は良好な社会資本や産業基盤の整備には欠かせない基礎資材であり、これらを質的かつ量的に安定供給する弊業界の窮状に鑑み、軽油引取税に関して下記の措置をとるよう国に求めることを請願する。

  1. 軽油引取税の課税免除措置の期間延長または恒久化を図ること。

教職員定数改善と義務教育費国庫負担制度堅持のための 政府予算に係る意見書採択を求める請願

 学校現場では、子どもの貧困・いじめ・不登校、教職員の長時間労働や未配置など、解決すべき課題が山積しており、子どもたちのゆたかな学びを保障するための教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっている。ゆたかな学びや学校の働き方改革を実現するためには、加配教員の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善が不可欠である。

 2021年3月、義務標準法の改正により、小学校の学級編制標準が段階的に35人に引き下げられた。小学校だけに留まることなく、今後は中学校での35人学級の早期実施が不可欠である。加えて、きめ細かい教育をするためには、さらなる学級編制標準の引き下げ、少人数学級の実現が必要である。

 義務教育費国庫負担制度については、2006年度に国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられた。

 厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている自治体もあるが、自治体間の教育格差が生じることは大きな問題である。子どもたちが全国のどこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請であり、国の施策として定数改善にむけた財源保障をし、ゆたかな子どもの学びを保障するためにも、国庫負担制度の堅持は不可欠である。

 こうした観点から、政府予算編成において下記の請願事項が実現されるよう、地方自治法第99条の規定にもとづき、国の関係機関への意見書提出を請願する。


  1. 中学校での35人学級を早急に実施すること。また、さらなる少人数学級について検討すること。
  2. 学校の働き方改革・長時間労働是正を実現するため、加配教員の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善を推進すること。
  3. 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため、地方財源を確保した上で義務教育費国庫負担制度を堅持すること。