令和5年第1回定例会で可決された意見書

《意見書》



太陽光発電設備設置などの大規模林地開発に係る森林法の改正を求める意見書

 緑豊かな森林は、木材を生み出すだけでなく、水源のかん養、山地災害の防止や二酸化炭素の吸収など様々な公益的機能を有しており、地域住民の生活になくてはならない重要な役割を果たしている。本県は、豊かな農産物や海産物に恵まれているが、これらも、肥沃な土壌を持つ森林が供給する水資源や有機物がもたらすものである。

 しかしながら、再生可能エネルギーの導入が進む中で、全国的に、太陽光発電設備の設置をはじめとした大規模な林地開発行為により、土砂災害等の危険性が増大し、住民生活の安定、地域社会の健全な発展に悪影響を及ぼすことが懸念される事案が発生している。また、地元住民の理解が不十分なまま開発行為が進められるなどの課題も顕在化している。

 現行の林地開発許可制度では、災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全という4つの要件を満たすための許可基準が定められており、これらを満たしている場合に許可をしなければならないとされていることから、この基準を超えた規制を行うことは困難な状況である。

 よって、国においては、太陽光発電設備の設置などの大規模な林地開発行為について、地域との合意形成を図ることを必須とするなど、現行の許可基準を強化するよう、森林法の改正を強く要望する。


医療提供体制の安全維持を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症の発生以降、感染症指定医療機関として多数の感染患者を受け入れている茨城県内の各医療機関は、今般の感染第8波及び季節性インフルエンザの同時流行により、業務負担が非常に増している。

 さらに、コロナの発生から3年が経過するなか、職員の身体的・精神的な疲労による、いわゆるコロナ疲れによる退職も増加してきており、人員不足によって適正な医療サービス提供の継続が危惧される状況にある。

 また、ウクライナ情勢の影響による世界的な物価及び光熱費の高騰により費用が大幅に増加しており、費用の増加分を診療報酬に転嫁することができない医療機関においては、自助努力のみではどうにもならない状況に追い込まれている。

 これに対して、今般、国では電気・ガス価格激変緩和対策事業を創設し、本県では原油価格・物価高騰対策に係る補正予算を措置しているところであるが、物価高騰の先行きが見通せない中、医療機関に対してさらなる支援が必要である。

 以上のような状況は、県内医療機関共通の喫緊の課題であり、早急に効果的な対応が求められる。

 よって、国会及び政府に対し、医療提供体制の安定維持のため、次の事項に取り組むよう強く要請する。


1  新型コロナウイルスの感染症法上の分類見直しに関わらず、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)の病床確保料については、万全な医療提供体制を確保するため、令和5年4月以降も継続すること。

2  医療資材や光熱費等の物価高騰対策として、緊急支援措置のみならず、恒久的な支援とこれらを反映した診療報酬の引き上げを行うこと。