令和3年第3回定例会で可決された意見書・決議・請願

《意見書》

《請願》

盛土に対する法制度の整備を求める意見書

 本年7月以降、線状降水帯を伴う活発な梅雨前線の影響により、全国各地で大雨による土砂災害や河川の氾濫などが起こり、多数の人的被害や物的被害が発生した。中でも、静岡県熱海市では、大量の盛土に起因する大規模な土石流が発生し、多くの住宅等が流出し、多数の死傷者が出るなど甚大な被害にみまわれた。

 異常気象等による自然災害が頻発化・激甚化する中、再び土砂災害による悲劇を繰り返さないようにするため、全国各地の盛土について、早急に対策を講じる必要がある。

 特に、盛土と建設残土の処分行為等との関連においては、建設残土の運搬や埋立て等の処理について規制する法律がなく、一部自治体では条例により規制しているが、罰則に地方自治法上の上限規定が設けられていることなどにより、適正処理の徹底には限界があることから、法による規制を早急に設けることが必要である。

 よって、盛土の安全対策について、国民の生命や安全・安心な暮らしを守ることができるよう、盛土に関して全国統一の安全基準を設けるとともに、国において、違反に対して厳しい罰則を設けるなど、規制の強化を含めた法制度の整備を図ることを強く要望する。

防災・減災、国土強靱化対策の更なる推進を求める意見書

 令和元年東日本台風や房総半島台風など、近年相次ぎ発生している大規模自然災害を踏まえ、切迫する巨大地震等や気候変動の影響により頻発・激甚化が懸念される気象災害から国民の生命と財産を守るため、令和3年度より新たに対策が重点的・集中的に講じられることとなった「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を着実に実施するとともに、こうした取組の更なる加速化・深化を図ることが極めて重要である。

 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により経済の下振れリスクが高まる中、税収の大幅な減少、感染拡大防止対策費や社会保障関係費、インフラ施設等の老朽化対策費の増加などにより、厳しい財政運営が懸念される。

 以上のことから、下記の事項を実施するよう要望する。

  1. 令和元年東日本台風により被害を受けた道路・河川等の迅速な災害復旧に取り組むとともに、再度の災害発生を防止するための改良復旧に必要な予算を確保すること。
  2. 「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」について、計画的に事業を推進するため、必要な予算・財源を別枠で確保すること。
  3. 久慈川の災害復旧・復興などで、迅速かつ機動的に実施されている国の権限代行が円滑に推進されるよう地方整備局等の体制の充実・強化や災害対応に必要となる資機材の更なる確保を図ること。
  4. 経済の下支えとなる公共投資を確実に推進していくため、当該公共投資に係る地方負担を軽減する財政措置を講ずること。

教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度堅持を求める意見書

 学校現場では、新型コロナウイルス感染症対策による教室の消毒作業等や貧困・いじめ・不登校など解決すべき課題が山積しており、子どもたちのゆたかな学びを実現するための教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっている。ゆたかな学びや学校の働き方改革を実現するためには、加配の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善が不可欠である。

 令和3年3月に改正義務標準法が成立し、小学校の学級編制標準が学年進行により段階的に35人に引き下げられることとなったが、今後、小学校だけに留まるのではなく、中学校・高等学校での35人学級の早期実施も必要である。さらに、きめ細かな教育をするためには30人学級の実現が不可欠である。

 一方、厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている自治体もあるが、自治体間の教育格差が生じることは大きな問題である。義務教育費国庫負担制度については、「三位一体改革」の中で平成18年度に国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられた。国の施策として定数改善にむけた財源保障をし、子どもたちが全国のどこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請であり、ゆたかな子どもの学びを保障するための条件整備は不可欠である。

 よって、国会及び政府においては、地方教育行政の実情を十分に認識され、地方自治体が計画的に教育行政を進めることができるように、下記の措置を講じられるよう強く要請する。

  1. 中学校・高等学校での35人学級を早急に実施すること。また、さらなる少人数学級について検討すること。
  2. 学校の働き方改革・長時間労働是正を実現するため、加配の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善を推進すること。
  3. 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため、地方財源を確保した上で義務教育費国庫負担制度を堅持すること。

コロナ禍における米価下落対策を求める意見書

 近年、食生活の多様化や少子高齢化を背景に米の消費が長期的に減少する中、コロナ禍による外食需要などの大幅な落ち込み等も加わり、主食用米の国内在庫量が積み上がったことで、令和3年産米の米価は全国的に下落し、生産現場に動揺が広がっている。

 米農家は、主食用米から飼料用米等への転換など事前のリスク回避策に取り組んできたところであるが、今回の米価下落幅は想定を上回るものであり、今後、米農家が営農意欲を喪失し、離農が進むことが懸念される。

 国では、作付転換や消費拡大等により、米の需給対策に取り組んでいるが、現状としては十分な改善には至っておらず、我が国の食料安全保障の観点からも、安定的な米価のもとで米農家の所得確保が図られるよう、あらゆる政策を講じる必要がある。

 よって、国においては、下記のとおり今般のコロナ禍の影響を踏まえた実効性のある経営安定策と米の需給バランスの安定化を図るためのより積極的な需要拡大・喚起策を講ずるよう強く要望する。

  1. 今般、国が打ち出した新型コロナウイルス感染症の影響による需要減に相当する15万トンの長期保管や子ども食堂への提供等の支援措置を着実に実行し、適切な価格で取引されるよう販売環境を整備すること。
  2. 当面の資金繰り対策として、制度資金の融資の円滑化や無利子化を図るとともに、収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)や収入保険の早期支払いを行うこと。
  3. 国内だけでなく、輸出の強化など需要環境の改善に必要な措置を講じること。
  4. 次年度以降の主食用米からの作付け転換需要に支障を来さないよう、「水田活用の直接支払交付金」の予算を十分確保すること。

教職員定数改善と義務教育費国庫負担制度堅持のための政府予算に係る意見書採択を求める請願

 学校現場では、新型コロナウイルス感染症対策による教室の消毒作業等や貧困・いじめ・不登校など解決すべき課題が山積しており、子どもたちのゆたかな学びを実現するための教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっている。ゆたかな学びや学校の働き方改革を実現するためには、加配の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善が不可欠である。

 令和3年3月に改正義務標準法が成立し、小学校の学級編制標準が学年進行により段階的に35人に引き下げられることになったが、今後、小学校だけに留まるのではなく、中学校・高等学校での35人学級の早期実施も必要である。さらに、きめ細かな教育をするためには30人学級の実現が不可欠である。

 一方、厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている自治体もあるが、自治体間の教育格差が生じることは大きな間題である。義務教育費国庫負担制度については、「三位一体改革」の中で平成18年度に国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられた。国の施策として定数改善にむけた財源保障をし、子どもたちが全国のどこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請である。ゆたかな子どもの学びを保障するための条件整備は不可欠である。

 こうした観点から、政府予算編成において下記の請願事項が実現されるよう、地方自治法第99条の規定にもとづき国の関係機関への意見書提出を請願する。

 

  1. 中学校・高等学校での35人学級を早急に実施すること。また、さらなる少人数学級について検討すること。
  2. 学校の働き方改革・長時間労働是正を実現するため、加配の増員や少数職種の配置増など教職員定数改善を推進すること。
  3. 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため、地方財源を確保した上で義務教育費国庫負担制度を堅持すること。