《意見書・決議》
本年は,我が国にとって戦後70年を迎える大きな節目の年である。
この機に当たり,私たちは,平和な現在を享受する者として,先の大戦において,祖国の平和を切に願い,これを後世に託し旅立たれた多数の先人に対し,改めて,深い敬意と哀悼の意を表する次第である。
同時に,我が国が,今後とも平和国家への道を確実に歩んでいけるよう,先人から受け継いだこの平和への願いを次の世代にしっかりと継承していくことが,私たちに課せられた大きな責務であると,強く認識するところである。
そして,本県においても多数の方々が戦没されるとともに,空襲や艦砲射撃などにより甚大な戦禍を被ったという状況に鑑みれば,県として,強い信念と行動をもって,その責務を全うしていくことが肝要である。
よって,本県議会は,下記事項の推進に,総力を挙げて尽力する。
記
- 戦争体験者が減少していく中,その貴重な記録と記憶とを次の世代にしっかりと引き継いでいくとともに,次代を担う子ども達に対し,平和を尊びこれを希求する心を醸成する教育を広範かつ継続的に施していくこと。
- 戦時下,若者たちの尊い想いと共にあり,往時を偲ばせる「旧筑波海軍航空隊司令部庁舎」の貴重な歴史的・文化的価値に鑑み,これを,末永く保存し顕彰するとともに,「筑波海軍航空隊記念館」の運営を支援すること。
- 本県の戦史を現在に伝える「予科練平和記念館」及び「筑波海軍航空隊記念館」を,県民が広く戦争の悲惨さを理解し,かつ,平和への願いを紡ぎ次代に継承していくための拠点として,有効に活用していくこと。
以上,決議する。
農業の持続的発展に必要な農業農村整備事業費の確保を求める意見書
政府は平成27年3月に新たな「食料・農業・農村基本計画」を策定し,農業の構造改革を通じて農業の成長産業化を進める産業政策と,農業・農村の多面的機能の発揮を進める地域政策を車の両輪として,施策を展開していくこととしている。
このうち,農業農村整備事業は,良好な営農条件を備えた農地・農業用水を確保することで,食料自給率・食料自給力を維持向上させ,食料の安定供給の基本となるとともに,力強い農業を支える農業生産基盤の整備,老朽化に対応した農業水利施設の保全管理などにより農業の持続的発展に資する重要な役割を担っている。
しかしながら,平成22年度以降,農業農村整備事業予算については大幅に削減され,老朽化の進む農業水利施設の長寿命化対策に支障がでるなど計画していた事業が進められず,現場のニーズに十分応えられていない状況にある。
平成25年度には補正予算の確保により平成21年度並の予算規模に回復したものの,再び予算が減少しており,平成21年度以前の水準には戻っていないことから,政府において農業農村整備事業の重要性を評価し,下記事項について最大限配慮するよう要望する。
記
現在進められている農業農村整備事業や今後新たに取り組む事業が計画どおり実施できるよう,必要な予算を確保すること。
先般,公的年金の運営業務を担う日本年金機構において,基礎年金番号や氏名など年金に関する個人情報約125万件が流出するという極めて憂慮すべき事態が発生した。
生活の柱ともいうべき公的年金に関する情報の流出という事態に,年金受給者はもとより,国民は大きな不安を覚えたところである。
この事態は,不正アクセスという外的事由によるものの,結果として,情報管理に対する国民の信頼を大きく失墜させたものであって,情報管理に対する危機意識の低さの指摘は,到底,免れうるものではない。
また,折しも,2016年1月から,税や社会保障分野などにおける共通番号制度,いわゆる「マイナンバー制度」が導入される運びである。
この制度は,国民一人ひとりに12桁の個人番号を付番し,国民の利便性を向上させるとともに,行政運営の効率化を図ることをその趣旨とするものであり,適切な運用が図られれば,様々なメリットが想定されるところである。
しかしながら,反面,ひとたび上述のような事態が発生すれば,国民に広範かつ甚大な被害をもたらす恐れは決して否定できず,制度導入に当たり,情報管理に対する体制の脆弱さが大いに危惧されるところである。
再び,同様の事態が引き起こされることのないよう,国は,国民の個人情報の管理の徹底について,これまで以上の決意を持って臨む責務がある。
よって,国においては,先般の事態について,原因究明・再発防止策及び年金受給者の被害防止策の徹底を図るとともに,マイナンバー制度の導入も踏まえ,個人情報の管理について,体制の充実・強化を図り万全を期すよう,強く求める。