平成25年第3回定例会で可決された意見書・決議・請願
《意見書・決議》
- 防犯カメラ設置促進のための必要な措置を求める意見書
- 教育予算の拡充を求める意見書
- 茨城の子どもたちを放射能から守るために原発事故子ども・被災者支援法に基づく適切な対応を求める意見書
- 東日本大震災からの本格復興を目指し,医師不足を抜本的に解消するための茨城県への医学部新設を求める意見書
- 新聞購読料への消費税軽減税率適用に関する意見書
《請願》
防犯カメラ設置促進のための必要な措置を求める意見書
本県の治安情勢は、刑法犯認知件数は、平成15年以降10年連続で減少しているものの、自動車盗や侵入窃盗等の県民に身近な犯罪が多発傾向にあるほか、交通事故死者数が全国ワースト上位にあるなど、いまだ予断を許さない状況にある。
このような厳しい治安情勢の中、本県警察官の一人当たりの業務負担が全国に比して高いことや、自動車盗の発生率が平成19年以降6年連続で全国ワースト1位となっているほか、通学児童等の安全の確保など、喫緊の課題を抱えている。
このような課題に的確に対応し、県民の治安に対する不安を解消するためには、地域を見守る役割を果たす防犯カメラの設置が有効であり、防犯カメラの設置は、犯罪者に犯行を躊躇させるという抑止効果の発揮が期待されるばかりでなく、犯人の検挙にも極めて有効な手段となるものであり、県民が安全で安心して暮らせる地域社会を確立するためには、防犯カメラの設置促進の必要性が認められる。
以上のことから,政府の予算編成において,防犯カメラ設置促進のための予算措置について特段の配慮をされるよう強く求める。
教育予算の拡充を求める意見書
平成25年度はこれまで小学校1年生,2年生と拡充されてきた35人以下学級の3年生以上への拡充が見送られ,予算措置されなかった。
日本はOECD諸国に比べて1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生徒数が多く,一人ひとりの子どもに丁寧な対応を行うためには少人数学級を推進する必要がある。
また,教育の機会均等は憲法で保障された権利であるが,日本はGDPに占める教育費の割合がOECD加盟国中最下位となっており,教育予算の拡充するとともに,義務教育費国庫負担制度を堅持することが大変重要である。
さらに,東日本大震災等において,学校施設の被害や子どもたちの心のケアの問題,教職員の負担増などの教育関係の影響も大きく,政府として,人的・物的な援助や財政的な支援に継続的に取り組むべきである。
将来を担い,社会の基盤づくりにつながる子どもたちへの教育は極めて重要である。以上のことから,政府の平成26年度予算編成において,下記事項の実現のため必要な措置を講じるよう強く求める。
記
- きめ細かな教育の実現のために少人数学級を推進すること。
- 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため,その根幹となる義務教育費 国庫負担制度を維持すること。
- 東日本大震災における教育復興のための予算措置を継続して行うこと。
茨城の子どもたちを放射能から守るために原発事故子ども・被災者支援法に基づく適切な対応を求める意見書
東京電力株式会社福島第一原子力発電所で発生した事故から2年半を経過し,除染対策等の効果もあり,汚染状況は,通常時のレベルに戻りつつあるものの,今なお高い放射線が観測されている地域もある。
放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等のため,依然として健康上の不安を抱えながらの生活を強いられている方がいる。
特に子どもは放射線による健康への影響を受けやすいと言われており,本県でも多くの子どもたちが甲状腺がんの発症率を高める放射性ヨウ素による被ばくをした可能性もあり,子どもたちの健康への懸念をぬぐい去ることが必要と考えられる。
また,昨年6月に成立した東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(以下「原発事故子ども・被災者支援法」という。)では,子どもが放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ,子どもである間に一定基準以上の放射線量が計測される地域に居住していたことがある等の場合は,健康診断が生涯にわたり実施されるよう国が必要な措置を講じることとされた。
10月11日に閣議決定された基本方針では,支援対象地域として重点的な支援が行われるのは,福島県内の33市町村に限定され,本県のような近隣県については準支援対象地域となり,新たな支援策も特段示されていない。また,支援対象地域と準支援対象地域を区別する一定の基準値も示されていない。
よって,政府及び国会に対し,原発事故子ども・被災者支援法に基づき,県内に暮らす人々の不安の解消及び安定した生活実現に寄与するため,下記の通り有効な支援と施策の実施について強く要望する。
記
- 政府は,支援対象地域と準支援対象地域の設定基準を明確にすること。
- 福島県内に限定することなく,本県でも不安の解消及び安定した生活の実現のために必要な対策を早急かつ万全に講じること。
- 特に,子どもたちの健康を守るために必要な,将来に渡る具体的支援策を示し,適切に実施すること。
東日本大震災からの本格復興を目指し,医師不足を抜本的に解消するための茨城県への医学部新設を求める意見書
本県の人口10万人当たりの医師数は,全国平均の230.4人(平成22年)に対し,166.8人と全国最下位クラスの46位に低迷しており,この状況が長年にわたり続いている。
また,医師の総数においても,本県は4,954人で,全国平均並みの医師数と比べ1,800人以上も少ない状況にある。
一方,東日本大震災では,本県も約2兆5千億円もの甚大な被害を受けたほか,県内の医療機関においては,大震災や福島第一原発事故の影響により,医師の県外流出や就業辞退などが見られたところであり,これまで以上に医師不足が深刻化している。
これまで,県としては,医学部入学定員の増員により医師確保に努めているが,抜本的な解決策とはならず,県内の医師不足は依然として切迫した状況にある。こうした状況は,県民の不安へとつながっており,医師の絶対数を増やし,医師の地域偏在の解消に向けて抜本的な対策を講ずることが求められる。
さらに,大震災の際には,本県自身が被災地であるものの,一人でも多くの命を救うため,いち早く災害派遣医療チームDMATを被災地に派遣するとともに,数多くの重症患者を県内病院に広域医療搬送するなど,多岐にわたる支援を行ったところであり,こうした災害時の医療支援機能のさらなる強化も急務である。
本県の本格的な復興のためには,県民が安心して暮らすことのできる生活環境の確保が不可欠であり,それを支える医療体制の構築が可能になるよう,本県への医学部新設が必要である。
よって,国においては,被災地である本県の地域医療の再生に向けて,医療水準を保持しつつ,将来にわたって地域に根差した医師を養成するなど,中長期的に医師を確保するため,茨城県への医学部新設が可能となるよう,医学部新設に関する規制を緩和するとともに,医学部新設に向けて必要な支援措置を講じるよう強く要望する。
新聞購読料への消費税軽減税率適用に関する意見書
新聞は,国内外の広範なニュースや情報を報道し,多様な意見・論評を広く国民に提供することによって,国民の知る権利を支えるとともに,活字文化の保持に寄与する生活必需品である。
一方,平成24年8月,社会保障と税の一体改革関連法が成立し,消費税率を2段階に分けて10%まで引き上げることとされた。平成25年度与党税制改正大綱においては,消費税引き上げに係る措置として,消費税率の10%引上げ時に,軽減税率制度を導入することをめざすことが明記されたところである。
近年,いわゆる活字離れが懸念されているが,消費税増税により,新聞購読率の低下等が加速することになれば,これまで我が国の発展に貢献してきた活字文化の維持,普及に深刻な影響が生じることが懸念される。
また,国民が国の針路などについて的確な判断を行うためには,政治や経済,社会など,様々な分野の情報を入手しやすい環境が必要であり,負担の軽減が重要である。欧州各国では,民主主義を支える公共財として,一定の新聞や書籍等に軽減税率を適用し,知識を得るための負担軽減を図っている。
よって,国においては,消費税率の引き上げに際し,下記の措置を講じられるよう強く要望する。
記
- 国民生活への影響を考慮し,十分な検討を行ったうえで,複数税率を導入すること
- 新聞への軽減税率を適用すること
教育予算の拡充を求める請願
【請願趣旨】
2013年度は,これまで小学校1年生,2年生と拡充されてきた35人以下学級の3年生以上の拡充が見送られ,予算措置がされていない。
日本は,OECD諸国に比べて,1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生徒数が多くなっている。一人ひとりの子どもに丁寧な対応を行うためには,ひとクラスの学級規模を引き下げる必要がある。文部科学省が実施した「今後の学級編制及び教職員定数に関する国民からの意見募集」では,約6割が「小中高校の望ましい学級規模」として,26〜30人を挙げており(それ以下を含めると約9割),保護者も少人数学級を望んでいることは明らかである。
子どもたちが全国どこに住んでいても,機会均等に一定水準の教育を受けられることが憲法に明記されている。しかし,教育予算について,GDPに占める教育費の割合は,OECD加盟国(データのある31カ国)の中で日本は最下位となっている。文部科学省の諮問機関である中央教育審議会でも,議論が始まったところではあるが,教育予算を拡充するとともに,義務教育費国庫負担制度を堅持することは大変重要である。
さらに,東日本大震災等において,学校施設の被害や子どもたちの心のケアの問題,子どもたち,教職員の負担増など教育関係の影響も大きく,政府として人的・物的な援助や財政的な支援を継続すべきと考える。
将来を担い,社会の基盤づくりにつながる子どもたちへの教育は極めて重要である。こうした観点から,2014年度政府の予算編成において下記事項の実現について,地方自治法第99条の規定に基づき国の関係機関へ意見書を提出していただくよう要請する。
【請願事項】
- きめ細かな教育の実現のために少人数学級を推進すること。
- 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため,その根幹となる義務教育費国庫負担制度を堅持すること。
- 東日本大震災における教育復興のための予算措置を継続して行うこと。
新聞購読料への消費税軽減税率適用に関する請願
【請願趣旨】
わたしたち新聞販売店は,国内外の多様な情報を,地域に張りめぐらせた戸別配達網により,どのような条件のもとでも日々,早朝,定刻に読者の戸口に届け,国民の知る権利と民主主義を足元から支えるとともに活字文化の発展につくしている。
国土も狭く資源の少ないわが国が,明治以降,世界有数の先進国となったのは,持ち前の勤勉性と活字文化の伝統による識字率の高さが要因と考える。とりわけ新聞の高い普及率が学力,技術力を支える役割を果たしてきたことは広く認めるところである。
近年,活字離れが進む中で,書籍とともに新聞の購読率は低下傾向にあり,新聞をまったく知らないで育つ子どもたちが増えるなど,次世代の知的水準へ深刻な影響を及ぼすものと深く憂慮される。さらに今回の増税により,新聞離れが加速されれば,深刻度はさらに増すものと懸念される。
また,販売店の経営が悪化すれば,店のみならず従業員の雇用不安を招くものと危惧する。
消費税に関しては,世界の多くの先進国が「民主主義を支える公共財」として新聞等知識に対する課税を最低限とする趣旨で,ゼロ税率や軽減税率を適用し消費者の負担を軽くしている。
よって,下記事項を請願する。
【請願事項】
- 消費税増税に当たり,複数税率の導入と新聞への軽減税率適用を実現すること。
- 軽減税率適用を求める意見書を国会または関係行政庁に提出すること。
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