令和3年の営業戦略農林水産委員会(鈴木将委員長)の重点審査テーマは,「アフターコロナを見据えた本県の観光振興」です。
本委員会では、この審査テーマに対して県が取り組むべき施策について検討するとともに、その他所管事項についての調査等も行ってまいります。
以下、調査の概要につきまして、ご報告いたします。
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【令和3年11月19日(金曜日)】
<シモタ農芸(取手市)>
シモタ農芸は、ハーブ類栽培の草分け的な農家です。土づくりにこだわり、高品質な野菜やハーブの栽培を行っています。茨城県オリジナル品種の「いばらキッス」をはじめとした、イチゴの栽培にも取り組み、イチゴでGlobal GAP※を取得しています。
ハウスを視察し、分析機器についてのお話などを伺いました。
※GAP:農業生産工程管理。農産物を作る際に適正な手順やモノの管理を行い、食品安全や労働環境、環境保全等を確保する取組のこと。生産者によるGAPの取組を第三者が審査し証明する民間の認証制度があり、Global GAPもそのひとつ。
<牛久シャトー(牛久市)>
牛久シャトーは、1903年に日本初の本格的ワイン醸造場として開設され、ブドウの栽培・ワインの醸造・瓶詰までを一貫して行っていました。現在は記念館として公開されており、2008年には国指定重要文化財に、昨年には日本遺産に認定されました。
牛久シャトー株式会社川口代表取締役社長より、牛久シャトーの歴史や、ブドウ栽培、ビール醸造などの新たな取組、観光誘客の状況などを伺い、施設内を視察しました。
<筑波山縁むすび(つくば市)>
筑波山縁むすびは、農業生産法人 筑波農場が、6次産業化の取組として2014年に開店した、筑波山神社の大鳥居前に位置するお店です。筑波農場が生産する「常陸小田米」を使用したおにぎりを販売するほか、米を使ったスイーツや焼酎など、地元商業者とのコラボレーションも積極的に行っています。2020年度には、米粉100%のバウムクーヘンの製造・販売を開始しました。
小久保氏より、米の生産・販売や6次産業化の取組などのお話を伺い、バウムクーヘン製造の様子も視察しました。
<観光関連事業者との意見交換会(つくば市)>
本県有数の観光エリアである筑波山周辺のコロナ禍の現状を、ホテル業、飲食、土産物販売、神社など幅広い業種の方々から伺いました。取り組まれている感染防止対策についてや、県のいば旅あんしん割事業の効果、さらには、行動制限が緩和されつつある今後の観光誘客策についてなど、活発な意見交換が行われました。
【令和3年7月20日(火曜日)】
<自動運転バス、カフェ茶蔵など(境町)>
境町は、地方創生交付金などの補助金を活用して、道の駅やスポーツ施設など、魅力ある施設の整備を推進し、観光誘客に積極的に取り組んでいます。
橋本町長より、境町が行っている数々のプロジェクトについてお話を伺った後、自動運転バスに試乗し、隈研吾氏設計の施設を活用したカフェ「茶蔵」や、国内最大規模のBMX(バイクモトクロス)競技場であるアーバンスポーツパークの視察を行いました。
<さしま茶 吉田茶園(古河市)>
吉田茶園は、様々な品種の緑茶を中心に、幻の品種「いずみ」を使った紅茶などを生産、販売しており、日本茶AWARDのプラチナ賞受賞をはじめ、Japanese Tea Selection PARISなど国内外で多数の賞を受賞されています。
さしま茶の普及や販路拡大、輸出など海外展開のほか、茶摘みや“きき茶”を体験できる見学ツアーも実施されており、アフターコロナを見据えた前向きな取り組みについても意見交換を行いました。
<JA常総ひかり 八千代野菜集出荷所(八千代町)>
JA常総ひかりは、露地栽培を中心とした園芸作物の一大産地で、白菜、キャベツ、レタス類、メロン、梨、最近では加工用トマトの生産も大規模に行われるなど、多様な作目、作型に取り組む農業経営が進められています。
野村町長、JA常総ひかり塚本組合長に八千代町の農業振興などについてお話を伺った後、青果物の鮮度保持など市場のニーズに応えるべく、令和2年3月に整備された「八千代野菜集出荷所」について、視察を行いました。