令和6年の土木企業立地推進委員会(黒部博英委員長)の重点審査テーマは「災害・危機に強い県づくり」です。
本委員会では、この審査テーマに対して県が取り組むべき施策について検討するとともに、その他所管事項についての調査等も行ってまいります。
以下、調査の概要につきまして、ご報告いたします。
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令和6年7月29日(月曜日)
<一級河川那珂川 那珂川緊急治水対策プロジェクト(常陸大宮市)>
本プロジェクトは、令和元年東日本台風において那珂川の堤防決壊や越水により流域に甚大な浸水被害が発生したことを受けて、国・県・市町が連携し、治水対策を推進するものです。
令和6年度は遊水地整備、河道掘削、堤防整備等の改良復旧などのハード対策や越水・決壊検知機器の活用による情報提供の迅速化、講習会等によるマイ・タイムライン普及促進などのソフト対策を進めています。
常陸大宮市小場地区、野口地区を訪れ、プロジェクトの進捗状況について国土交通省関東地方整備局常陸河川国道事務所から説明を受け、遊水地及び堤防の整備現場を視察しました。
<茨城港常陸那珂港区 (ひたちなか市・東海村)>
茨城港は、首都圏のニューゲートウェイとして北関東地域の経済・産業活動を支援するとともに、東京湾沿岸地域の港湾物流機能を補完する国際物流拠点として、重要な役割を担っています。
このうちの常陸那珂港区では、中央ふ頭においては混雑緩和や国際競争力強化を図るための岸壁の延長やふ頭用地整備が、北ふ頭地区においては、荷役機械の更新などが進められています。
また、荷役や船舶の入出港の安全性等の向上を図るため、東防波堤の整備も進められています。
茨城港湾事務所及び国土交通省関東地方整備局鹿島港湾・空港整備事務所から上記取組の進捗状況や常陸那珂港区における津波・高潮対策について説明を受け、港湾内各所を視察しました。
県外調査(福岡県・熊本県) 令和6年7月17日(水曜日)~19日(金曜日)
<大濠公園(福岡県福岡市)>
大濠公園は福岡県が管理する都市公園で、福岡市のほぼ中央に位置し、総面積約39.8haのうち約22.6haの池を有した、全国有数の水景公園です。
近年は、日本庭園に隣接する箇所に、パークPFI制度を活用し飲食施設「大濠テラス」を設置し、八女茶をテーマとした飲食施設等の整備を行うことにより公園の利便性や魅力の向上に取り組んでいます。
福岡県の担当者から、事業概要や民間活用策の説明を受けたほか、公園内を視察しました。
<新阿蘇大橋(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)>
新阿蘇大橋は、平成28年4月に発生した熊本地震により落橋した阿蘇大橋に替わり、国の災害復旧代行事業により新たに建設された橋で、令和3年に開通し、現在は熊本県が管理しています。
熊本県の担当者から、当時の被災概要及び復旧までの経過並びに早期復旧に向けた工夫及び崩落しにくくする構造上の工夫等について説明を受けたほか、新阿蘇大橋を視察しました。
<一級河川球磨川(熊本県八代市)>
球磨川は、日本三急流の一つに数えられる河川であり、令和2年7月豪雨において氾濫した際には、周辺地域に甚大な浸水被害が発生しました。
球磨川を所管する国の八代河川国道事務所の担当者から、堤防決壊箇所等の復旧工事の取組や流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で水害の軽減を目指す「球磨川水系流域治水プロジェクト」の推進に向けた取組の状況について説明を受けた後、復旧工事を進めている坂本地区を視察しました。
<八代市役所>
八代市は、令和2年7月豪雨を契機に、河川・道路等の災害復旧工事の進捗状況や工事による交通規制情報等を電子地図上に表示した、誰もがスマートフォン等から復旧状況等を閲覧することができるデジタルマップ『やつしろ道路情報マップ』(Ydマップ)を構築し、令和5年3月から運用を開始しています。
八代市の担当者から、Ydマップの概要について説明を受けたほか、実際にYdマップを操作することで理解を深めました。
<国土交通省九州地方整備局九州技術事務所(福岡県久留米市)>
九州技術事務所は、被災地への災害対策支援車等の派遣、建設技術に関する人材やDX人材の育成、建設技術に関する技術開発等を柱に地方自治体等への支援や質の高い社会資本整備に資するべく業務を行っています。
九州技術事務所の各業務担当者から、上記取組について説明を受けた後、災害対策支援車等の視察やデジタル技術を活用した機器、シミュレーター等を実際に体験し、取組への理解を深めました。
令和6年5月16日(木曜日)
<日立建機(株)土浦工場 (土浦市)>
同社は、主に油圧ショベル、ホイールローダ、鉱山機械の分野で事業をグローバルに展開する建設機械メーカーです。県の本社機能移転強化促進補助金を活用し、県内外の研究開発拠点を集約した新オフィスを令和5年5月に稼働させました。
これまで各拠点に分散していた開発部門の技術者が集まることで、開発力のさらなる強化が期待されています。
同社の事業概要について説明を受けたほか、新オフィスや工場の生産ラインを視察しました。
<霞ヶ浦浄水場 (土浦市)>
同浄水場は、霞ヶ浦を水源とした飲料水を隣接市町村に供給している、私たちの生活に欠かせない施設です。
かび臭原因物質の処理や運転経費削減等の課題に対応するため、令和2年度から新しい高度浄水処理技術を採用した「オゾン促進酸化処理施設」の整備を進めており、令和6年度秋頃から供用を目指しています。
同浄水場の概要について説明を受けたほか、オゾン促進酸化処理施設等の施設を視察しました。
<(仮称)つくばスマートインターチェンジ (つくば市)>
同スマートインターチェンジ(以下「スマートIC」)は、つくば市内で工事が進められている圏央道(首都圏中央連絡自動車道)のスマートICです。
このスマートICにより、圏央道の利便性向上や地域のポテンシャルの向上、地域経済の活性化などの大きな整備効果が見込まれ、早期の完成が期待されています。
同ICの概要についてNEXCO東日本(東日本高速道路(株))から説明を受けたほか、工事の進捗状況を調査しました。
<坂東パーキングエリア (坂東市)>
同パーキングエリア(以下「PA」)は、令和6年4月に供用開始された圏央道内回りの休憩施設です。
これまで休憩施設がなかった常磐自動車道(つくばジャンクション(以下「JCT」))から東北自動車道(久喜白岡JCT)間に同PAが設置され、利用者の安全性や利便性の向上が図られました。
同PAの概要についてNEXCO東日本から説明を受けたほか、同PAと一体的な整備が計画されている、防災や観光などの拠点を目指した地域拠点整備事業「坂東PAハイウェイ・オアシス」の概要についても坂東市から説明を受けました。
令和6年4月24日(水曜日)
<閉会中委員会>
立地推進部、企業局及び土木部から事務事業概要の説明聴取を行いました。