鹿島灘海岸侵食対策事業
鹿島灘海岸では海岸侵食対策事業として,砂浜の安定化を図るために平成17年より粗粒材養浜工事を実施しています。
海岸侵食対策事業の概要
かつて,鹿島灘では河川(那珂川・利根川)からの土砂供給により広大な砂浜が保たれていましたが,沿岸開発により沿岸漂砂の遮断が生じるようになり,さらに河川からの供給土砂の減少が重なったため,昭和50年代後半頃から急激に侵食が進行しました。
侵食の進行に伴い,護岸の倒壊や越波被害などが生じ,早急な侵食対策が必要となったため,人工的に岬を作り,砂浜を守る「ヘッドランド」の設置と併せて,粗粒材を投入することで砂浜を回復させる効果のある「粗粒材養浜工事」を実施しています。
侵食が進行し,砂浜が消失してしまった神向寺海岸において粗粒材養浜工事を実施しました。現在では砂浜の回復が確認でき,粗粒材養浜工事の効果が見られます。他の地区においても,侵食状況に応じて粗粒材養浜工事を実施しています。
養浜前後の状況
粗粒材養浜工事により投入された粗粒材は,水深約2mまでの範囲にとどまり,特に夏季の波の平穏時は細砂が粗粒材を覆い,景観や利用面への影響も少なくなっています。
養浜後の海浜の季節変化