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更新日:2022年9月25日
今日は、茨城県を代表する美しい景観をもつ霞ヶ浦、その湖畔に立つ茨城県の流域下水道事務所・霞ケ浦浄化センターに来ました。
この霞ケ浦浄化センターは、茨城県が管理する下水処理場で土浦市をはじめ周辺の5市町を対象として、昭和54年から供用開始しています。
▲リポーターは左から冨田、加藤
ー霞ヶ浦はやっぱり広いなぁ。天気もいいしいい景色! (冨田)
ー実は、霞ヶ浦は平均深さが4mで広くて浅い湖なんだよね。(加藤)
▲「天気もいいし、釣り人がいっぱい!」
霞ヶ浦の流域(降った雨が流れ込む地域)は、霞ヶ浦の約10倍の面積があって、24の市町村に広がっていて、約96万人が住んでいるそうです。(H28年3月現在)
でも霞ヶ浦は地域の発展とともに水は急速によごれてしまって、特に昭和53年から55年にかけては、アオコが大発生して、アオコが腐って臭いにおいが発生して問題になったそうです。そのため、茨城県では、湖をきれいにする取組みを強化するため、県の条例や水質を改善する計画をつくって取組んでいて、5年ごとに計画の見直しを行って、現在、第7期の取組みを行っているとのことです。
それでは、下水道を管理する県の流域下水道事務所と霞ケ浦浄化センターの職員の方々にお話しを聞いてみたいと思います。
ーQ.どうして、霞ヶ浦は汚れてしまうんでしょうか?(冨田)
A.たくさんの窒素やりんなどの栄養が川から湖に流れ込むと植物プランクトンが大発生します。植物プランクトンが増えると、湖の中の有機物も増えて、湖のよごれ具合を表すCOD(化学的酸素要求量)の値が大きくなり、湖がよごれてしまいます。
この窒素やりんは、私たちの家庭、工場、牛・豚などの畜産から出るものと、雨によって水田や畑、森林や市街地からも流れ出るもの、また湖の底に積もっているところからも栄養が多く溶け出していると言われています。このような状況になると、植物プランクトンが大量に増殖し、アオコが発生します。アオコが大発生すると、腐敗して湖も臭くなってしまいます。
▲今回もしっかり勉強させてもらっています
ーQ.アオコを減らす方法ってあるんですか?(加藤)
A.アオコを減らすためには、霞ヶ浦に流入する窒素とりんを減らす必要があります。
霞ケ浦流域の下水道では、通常の下水処理に加えて、この窒素やりんを除去するための処理として高度処理を行っています。そして、下水処理場から霞ヶ浦への放流水質は、県の条例で決められています。
実は、ここ霞ケ浦浄化センターでは、「高度処理のデパート」と言われるほど、いろいろな高度処理の方法で運転しています。
ーQ.そんなにいろいろな方法があるんですか?(加藤)
A.霞ケ浦浄化センターでは、凝集剤添加活性汚泥法、凝集剤併用型循環式硝化脱窒法、嫌気・無酸素・好気法(A2O法)、担体投入型修正Bardenpho法の4つの処理方法を採用し運転しています。
▲処理を行う菌が増殖しやすい材料(担体)のサンプルを見せてもらいました
ーQ.難しい言葉ばかりで、全然ついていけないですぅ。どうして、いろいろな方法で運転しているのですかぁ。(冨田)
A.全国に先駆けて高度処理を導入したのですが、その後、確実に窒素・りんを除去する方法について、独自の検討を重ねるなど、霞ヶ浦の水質を考えて、繰り返し挑戦してきた結果、今のカタチになったんです。ですので、現場は、もっと確実に窒素やりんを除去できないか、もっと放流水質を良くできないか、下水を処理してくれる活性汚泥は「生き物」なので、「日々改善」の気持ちを忘れずに管理するよう努めています。
▲水質を分析・検査をしているところにも ▲高度処理の行程を優しく教えていただきました
おじゃましました(貴重な体験!)
▲コックピットみたいでかっこいい(中央監視室) ▲処理槽内の担体をすくってもらいました
▲水中で汚水を循環させるマシーン(第一無酸素槽内)だそうです。貴重!!
ー私たちが流している生活排水から霞ヶ浦への負荷を低下させるための努力の結果、ということなんですね。(加藤)
ーじゃあ、私たちも何か努力していかないといけないねぇ。(冨田)
ーそうねー。やっぱり私たちが使用した水は、霞ヶ浦や河川に流れ込んで行くけど、水道の水源として浄水場を経て、また、私たちの家庭に送られてくるんだし、やっぱり水は循環するものなんだもんね。(加藤)
ここ霞ケ浦浄化センターでは、カルシウムを主成とした塊(なんと重さ7.8kg)が流れてきたことがあるんです。これは、下水道管の中で生成されたもののようで、細い下水道管が詰まったり、ポンプの機械が壊れてしまったりすることもあります。原因は、事業所や家庭からの油や工場からの特定の化学物質などによるもののようです。ご家庭では油をできるだけふき取っていただいて、排水溝に流さないようにお願いしたいです。
▲処理場に流れ込んだカルシウムの塊(霞ケ浦浄化センター)
ーえっこんなものが、流れてくるなんて恐ろしいですね。(加藤)
ー私たちができることは小さな事かもしれないけれど、一人ひとり気をつけていくことが大事ですね。油は流さないようにします!(冨田)
▲高度処理に触れて下水道処理の重要性を理解し、決意を新たにする二人
参考文献:「いばらきの森と湖」(発行:茨城県)
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