ここから本文です。

更新日:2023年9月28日

県広報紙「ひばり」3月号【特集2】

茨城から世界へ
~挑戦するベンチャーたち~

新たなアイデアや技術で、これまでにないサービスやビジネスを提供する「ベンチャー企業」。ベンチャー企業の活躍は、地域経済の活性化につながり、質の高い雇用が生まれる可能性を秘めています。

県では、科学技術や産業の集積をはじめ、産学官連携のネットワークなどの強みを生かして、大学や研究機
関が持つ優れた技術の「種」を発掘し、創業・事業化から定着するまでの一貫した支援を行っています。

県内のベンチャー企業は約500社にも上り、昨年7月には、本県とつくば市が国の「グローバル拠点都市」に選定されました。
今回は、県がこれまでに支援した企業の中から、躍進を続けるベンチャー企業を紹介します。

 

【本県・つくば市がグローバル拠点都市に】
世界と同等に戦えるベンチャー企業を創出するため、国が地域のベンチャー支援の取り組みを重点的に後押しする「グローバル拠点都市」に、昨年7月、本県やつくば市が参加する「スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアム」が選定されました。

202103_p4_1

 

202103_p4_2株式会社リーバー(つくば市)
代表取締役伊藤俊一郎さん


設立:2017年2月
従業員:約30人
事業内容:医療相談アプリの開発・運営

いつでもどこでも健康不安を解消
式会社リーバーは、スマートフォンやパソコンから医療相談ができるアプリ「LEBER※」の開発・運営を行っています。※昨年11月に「第1回いばらきイノベーションアワード」大賞受賞(先端技術を活用した県内企業などの特に優れた新製品・新サービスを表彰するもの)
体的には、アプリに症状や悩みを入力すると、24時間365日、いつでも専門の医師が、疑われる病名や受診すべき診療科、購入できる市販薬などのアドバイスをしてくれます。現在では、300人以上の医師に登録いただき、相談対応にあたっているそうです。
表取締役の伊藤俊一郎さんは、自身が医師として働く中で、受診する前に医師に相談できる体制をつくることで、受診が必要な方に対して、より質の高い医療を提供できると思い、アプリの開発を目指したそうです。

医師の視点でできること
「サイバー空間に病院を作ることで、患者さんの病や不安を癒やすだけでなく、現場の医師たちの負担軽減にもつながると思った」とアプリ開発のきっかけを話す伊藤さんは、「アプリ開発の知識がなかったので、資金調達や広報の仕方などの点で、県の伴走型支援はとても心強かった」とのこと。昨年4月には、県からの依頼で、茨城県民を対象に「LEBER」の無償提供を開始し、6カ月間で約7300件もの相談があったそうです。「コロナ禍において、遠隔での医療相談の有効性を非常に感じた1年だった。今後も、皆さんの不安解消に貢献していきたい」と話す伊藤さん。
在、小中学校を対象に、検温結果や体調の報告ができるアプリの運用も開始され、つくば市やつくばみらい市などで導入されています。
「今後も、全国、そして世界中の方が、少しでも日々の健康不安を取り除いていけるように、医師の視点から皆さんにどのような支援ができるかを追求し続けたい」と力強く語ってくれました。

202103_p4_4
定期的に患者さんの自宅へ訪問し診療する伊藤さん

 


202103_p4_3アクシオンリサーチ株式会社(つくば市)
代表取締役佐藤友美さん


設立:2016年12月
従業員:9人
事業内容:ハイブリッド実装自己学習型AIによる健康状態分析と疾病リスクの予測など

健康を「科学」する
クシオンリサーチ株式会社は、健康状態と将来の疾病リスクを可視化し、その人に最適な健康増進プログラムを提供する技術を開発しています。
「病気になってから原因や治療を考えるのではなく、事前に病気を回避したり、さらなる健康増進を図ったりする時代」と話す代表取締役の佐藤友美さん。健康や疾病リスクと深い関係がある血液やバイタル、ライフスタイルなどのデータを特有なパラメータを用いて解析し、疾病リスクを予測するAI(人工知能)を開発しました。今後さらに、個人の疾病リスクに応じた健康増進プログラムの開発を視野に入れる佐藤さんは、「わが社のコンセプトでもある健康を”科学〞することで、皆さんの健康増進につなげたい」と語りました。

世界を笑顔に
後のグローバル展開を考え、県で実施している海外展開支援プログラムに参加した佐藤さん。「ニューヨークで世界的に活躍する指導者との1on1ミーティングやワークショップを通して、短期間で経営課題の本質を把握することができ、世界へ向けた情報発信に役立てることができた。またプログラム終了後も継続して指導者からフォローを受けることができたので、今後の事業展開のノウハウまで取得できた」とのこと。
現在、製薬会社などからの試験データをAIにより解析し、リスク予測の精度を高めるとともに、今後はがんになるリスクや新型コロナウイルスで重症化するリスクの予測と併わせ、体質改善に必要な健康増進プログラムを希望者に対して運用していく予定です。
全・安心で、笑顔の絶えない社会づくりをAIの技術を活用して実現しようとしている佐藤さんは「皆さん一人一人の大切な未来を創り出すためチャレンジを続けていきたい」と抱負を語ってくれました。

202103_p4_5
AIによって導き出された疾病リスクについて説明する佐藤さん

県では、ベンチャー企業の成長に応じたサポートを実施しています!

ベンチャー企業を生み出す

  • 共同研究の支援
    ・筑波大学とつくばを中心とした研究機関との共同研究を支援し、優れた技術の「種」を創出
  • 創業・事業化の支援
    ・大学や研究機関などの先端的な技術の「種」を発掘し、金融機関や県内企業とのマッチングを行い、創業や事業化を支援
  • 起業支援金の給付
    ・地域課題の解決に資する起業者に対し起業支援金を給付(補助率2分の1、上限200万円)

ベンチャー企業を育てる

  • マッチング・販路開拓の支援
    ・ニューヨークのアクセラレーター「ERA」との連携による海外展開に向けたプログラムを実施
    ・首都圏や大阪などで開催されるピッチイベントに県内企業が参加するなど、国内の他地域との連携を推進
    ・優れたベンチャー企業を表彰(めぶきビジネスアワード県知事賞の賞金100万円、対象1件)
  • 活動拠点の支援
    ・起業家や新たな事業展開を目指す企業に対して、事務室・研究室を活動拠点として提供(つくば創業プラザおよびスタートアップオフィス)
  • 資金調達の支援
    ・創業支援融資制度(限度額3,500万円、利率1.2~1.5%/年)
    ・県や金融機関、中小機構などが共同で設立した「いばらき新産業創出ファンド(10億円)」による資金調達支援新規投資は終了。※投資先企業の伴走支援を実施中

拠点をつくる

・いばらき発のベンチャー企業が世界に挑戦できる環境づくりを進めるため、起業家や投資家、研究者が集い
交流するプログラム「TSUKUBACONNECT」を毎月2回(第1、第3金曜日)開催。
これまでに延べ2,000人を超える方に参加いただいています。

3月5日(金曜日)・19日(金曜日)に開催予定!
 

202103_p4_6
「オール茨城で起こすイノベーション」をテーマに大井川知事と起業家らによるトークセッションも行われました。

この記事に関するお問い合わせ

県技術革新課☎029(301)3522

 

戻る

次へ

このページに関するお問い合わせ

営業戦略部営業企画課戦略・広報

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-2128

FAX番号:029-301-3668

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?