県広報紙「ひばり」8月号「いばらきクローズアップ」
涸沼が国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されました。
自然環境の宝庫である涸沼を次の世代へ引き継いでいきましょう。
涸沼の概要
- 所在地/鉾田市、茨城町、大洗町
- 面積/935ヘクタール
- 概要/涸沼は、茨城県のほぼ中央に位置する関東唯一の汽水湖で、ヤマトシジミやニホンウナギなど多種多
様な生物が生息しています。ヨシ原には、全国的に絶滅が危惧されているヒヌマイトトンボやオオセッカなどの生息が確認されています。また、同じく絶滅が危惧されているオオワシが毎年越冬しているほか、カモ類の飛来は約1万羽を超えており、特にスズガモは、東アジア個体群の1%を超える数(約2,500羽)が飛来しています。
ラムサール条約とは
- 正式名称:「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」です。
- 1971年にイランのラムサールで開催された国際会議において、この条約が採択されたことから一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。
- 内容:多様な生物を育み、特に水鳥の生息地として非常に有用な湿地について国際協力により保全、賢明な利用(ワイズユース)を進めることを目的としています。
- 加入国数:168カ国(日本は1980年に加入)
- 登録湿地数:2,208カ所(2015年6月現在)
- 登録面積:約210万ヘクタール(2015年6月現在)
- 日本では釧路湿原や涸沼など50カ所約15万ヘクタール(2015年6月現在)が登録されています。
湿地とは
- 湿原や湖沼、水深6メートル以内の海域などを指します。
湿地の役割とは
- 水鳥や魚、貝などさまざまな生き物の生息地となります。
- 水の浄化、保水、洪水の防止など私たちの暮らしを支えています。
- 豊かな自然や景観、鳥のさえずりなど癒しの場となります。
ラムサール条約に登録されるメリットは?
国際的に重要な湿地と認められ、国内外から注目が集まることにより、多くの人々が野鳥観察や観光に訪れ、交流人口の増加や地域の活性化が期待されます。
また、涸沼の特産品であるヤマトシジミなどのブランド力の向上も期待されます。
涸沼における今後の取り組み
涸沼の豊かな自然環境の保全に配慮しながら、地域が一体となった賢明な利用を図っていくため県や地元3市町、関係団体などが設立した涸沼ラムサール条約推進協議会を中心に涸沼の農水産物のブランド化や自然観察体験などの推進に取り組んでいきます。
この記事に関するお問い合わせ
県環境政策課☎029(301)2946