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更新日:2020年6月24日
この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。
知事定例記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。
東海第二発電所の再稼働の賛否を問う県民投票条例について(2)
東海第二発電所の再稼働の賛否を問う県民投票条例について(3)
(作成:報道・広聴課)
令和2年6月24日(水曜日)
10時30分~11時18分 会見室
東京(幹事社):幹事社の東京新聞です。よろしくお願いします。まず,知事の方から説明があるということで,よろしくお願いします。
知事:今日は,私の方から発表させていただくのは,県の方で新たにいばらきアマビエちゃんというシステムを導入するということでございます。
事業者において,感染予防対策を登録していただいて,その証明をする宣誓書を発行させていただくと。そこに二次元コードがついていて,その施設,あるいはお店を利用した方は,その二次元コードを読み込んで登録していただくと,仮にそのお店を同日に利用した方から感染者が出た場合に,お知らせのメールが届くというようなシステムでございます。
ポイントとしては,まず,それぞれの施設やお店などの取り組みがきちんと可視化できる。ある意味,お店や施設で県のガイドラインに沿った感染予防の対策の取り組みをさらに促進することができるというふうに認識しております。
もう一つは,お店や施設を利用した方に対して,同日に利用した方にもし感染者が出た場合のお知らせメールということで,二次元コードとメールを使っている非常にシンプルなシステムなので,スマートフォンだけではなくて,いわゆるガラケーといわれる携帯でも利用ができるということでございます。
これによって,メールを受け取った方については,症状があれば,当然,保健所等にご連絡いただいて,相談いただくも良し,無症状である場合でも,場合によっては,外出自粛などの行動抑制ということも自主的に行っていただくような,社会全体として感染が広がらないようにするための行動を推奨できるのではないかなと考えております。
こちらの図にあるとおりでございます。こちらが宣誓書を発行する際の図でございます。後ほど,デモをさせていただきますが,事業者の方,あるいは施設の所有者の方々で,県のホームページの方にアクセスいただくと,必要な業種などを選択していただいた後,自分のところのお店や施設で取り組んでいる項目を選んでいただく。そうすると,それに基づいて,チェックした項目が記載された,感染防止対策宣誓書という形で,こういうことを取り組んでいますということで宣誓書が発行されるわけです。
このいばらきアマビエちゃんのキャラクターつきで,二次元コードもついています。お店などや施設を利用される方は,その施設を利用するときに,この二次元コードを読み込んで,自分のメールアドレスを登録すると,もし同じ日に利用している方に感染が判明した場合は連絡が行くという仕組みになります。
これが登録完了画面です。完了すると,いばらきアマビエちゃんから事業者の方にメールが行くということでございます。それでは,ちょっとデモをやってみましょう。
~「いばらきアマビエちゃん」のデモンストレーション~
知事:ということで,あとは宣誓書が発行されますので,それを施設の入り口とかに貼っておいていただくと,利用者の方々,あるいはお客さんが,スマートフォンなり携帯で二次元コードを読んでいただければ,仮に利用日と同じ日に利用した別の方が感染したということが判明した場合に,お知らせのメールが行くということになります。私の方から,発表は,以上です。
東京(幹事社):ありがとうございました。では,こちらの方から質問をさせていただきます。これは県の独自施策ということでよろしいのですよね。
知事:そうですね。独自施策です。ただ,他県で同じような仕組みを,例えば,神奈川県なども始めているので,そういうものを参考にさせていただきました。
東京(幹事社):改めてですが,導入の目的を教えてください。
知事:これからのコロナ対策というのは,前々から私,申し上げていますように,コロナとの共生をどう行っていくかということになるかと思います。というのも,第1波で我々が行ったような外出自粛であるとか,さまざまな施設の休業要請ということで,ロックダウンに近いような対策がいかに社会に甚大な影響を及ぼすかということも,我々,経験でわかったわけですので,そういうことを避けながら,早い段階で感染を検知して抑え込む,あるいは,社会経済活動を行いながら,感染防御対策をしていく社会を築く必要があるわけで,その一助として,施設側,あるいはお店側にも感染防止対策をガイドラインなどを参考にしながら徹底していただく。さらには,利用者の方にも安心を感じていただけるような仕組みということで,この取り組みが有効なのではないかなと考えて,今回,始めることにいたしました。
東京(幹事社):こういうものですと,ある程度,利用者がいないとメリットも感じられないようなことではないかと。
知事:それとは違いますね。1人でも2人でも,利用される方にとっては利用価値があります。最近,国が発表しましたBluetoothを活用した接触確認型アプリでは,お互いが接触した場合に記憶しておいて,後で接触したことが知らされるという話は,あれは確かに,例えば,全人口の6割以上ないとという話もございますが,これは単純にその施設に自分が行った日に,他に感染者がいたということをメールで知ることができるということで,自分に対しても,防御的な措置,対応をすることを促すことができるし,施設側は施設側で,自らの感染予防対策,こんなことをやっていますよということを,宣誓書で明示することによって,施設を利用する方,お店を利用する方の不安を解消することができると,その2つですので,ちょっと目的が違っていると理解しています。ですので,利用者の規模がある程度ないと,この取り組みは効果が無いという話とは,この我々の独自の取り組みは違うのかなと思っています。
東京(幹事社):それもあるのでしょうけれども,これを普及させるための何か策というのでしょうか,これに関してはどうPRしていかれるのでしょうか。
知事:これは,事業者側,あるいは施設やお店を経営されている方にとっても大きなメリットがある。要するに,ある意味,県のガイドラインに沿って自分たちはこういうことをしているということを,実際に前面に出せることによって,利用する方も,ああ,このお店はしっかり対策をとっているのだということを理解できるわけなので,非常にメリットがある。
また,逆に,そのお店を利用している方にとっても,いざというときにはメールでお知らせしてもらえるということは,非常に安心材料にもつながるので,利用する方,それから,施設側,お店側,両方にとってメリットのある仕組みなので,これは当然,県としても広報しますが,おのずと広がっていくのではないかなと私は考えています。
東京(幹事社):PRは店側の方にもしてもらうというようなことですかね。
知事:もちろんです。
東京(幹事社):わかりました。幹事社からは,以上です。各社さん,お願いします。
朝日:先ほどのデモはお店側の方のデモだったので,利用者側の方のところが少しわからなかったもので,教えてください。利用者の方は,お店に来た日ごとに二次元コードを読み込むということをするということですか。
知事:そうです。お店側が感染防止対策宣誓書を入り口などに出しておくということです。そうすると,来た人は,自分の携帯を使っていばらきアマビエちゃんの二次元コードを読みます。それで自分のメールアドレスを登録するのです。二次元コードを読むと,お店や施設を利用される方にもメールアドレスの登録をお願いする画面に行き着きますので,そこにメールアドレスを登録すれば,後で,同じ日に,同じ施設を使って感染をした方が発見された場合には,お知らせメールが行くということになります。
朝日:そうすると,同じ店であっても,日をかえるごとに一応二次元コードを読み込む作業が必要で,お店がかわれば,そこの店ごとに登録していかなければならない。
知事:もちろん,もちろん。
朝日:お客さんにとっては,そこはやるかやらないかは自分がどう考えるかによるということになるのですか。
知事:そうですね。
朝日:2点目,1枚目のポンチ絵を見ると,情報の集約は県庁ということになっていますが,ある意味,利用者のメールアドレスなり個人情報を県が取得することになると思いますが,個人情報取得に当たっての漏れないような対策であるとか,このあたりはどんなふうにお考えになっているのか。
知事:氏名ほか一切収集しません。メールアドレスのみでございます。メールアドレスも,1カ月分で廃棄するということにしていますので,もちろん,一般的な情報漏えい対策はきちんと行いますし,個人情報の問題というのは起こり得ないのかなと思っています。
朝日:そうすると,お客さんが勝手に二次元コードを読み込むので,お店側は把握していないということですか。
知事:そういうことですね。
朝日:わかりました。
NHK:利用者の方で感染した場合には,その情報が県に行くと,県がそれを把握して,そのメールを送ってくださる仕組みなのですか。
知事:そういうことになります。
NHK:感染した方も登録するわけではなくて。
知事:感染した方の行動追跡を保健所を中心に行うわけですが,そこでここの店を使っていたということがわかってくれば,そこに同じ日にいた人の登録されているメールアドレスに対して県の方から通知をするということになります。
NHK:確認ですが,感染した場合には,自分の行動履歴をしっかり保健所に伝えれば,それに伴って,必要な手だてはやっていただけるということですか。
知事:そうです。陽性の検査結果が出た方には,発症前2週間,発症後もその時点まで全て行動履歴を調査しますので,そこでわかった内容に基づいてお知らせメールを出します。
毎日:このシステムなのですが,第2波に備えたものだと思うのですが,第1波でこういったものがあればもう少しスムーズな対策ができたとお考えでしょうか。
知事:たらればの話ではあるのですが,我々,地球上の全ての人たちがコロナ対策については手探りをしながら徐々にこうやって対策を進化させてきているということの一つなのではないかなと思っています。
時事:1点だけ,これ,予算額は幾らぐらいなのでしょうか。
事務局:システム自体は約60万円です。そのほか,広報経費を含めまして120万円弱となっております。
時事:それは補正予算での計上なのでしょうか。
事務局:それは既定経費の中で対応しております。
時事:わかりました。
TBS:利用する側の人が受け取るメールには,その施設名は記載されるのでしょうか。
知事:されません。いわゆる風評被害対策ということもあって,施設名も出さずに,あなたが立ち寄った施設で感染者が出ましたという内容だけが連絡されます。
TBS:そこは,今,店舗側が結構ナーバスになっている風評被害の拡大というのも県も一応配慮して。
知事:そういうことですね。
読売:県にとってのメリットなのですが,こういう活用で追跡できるという利点も感じていらっしゃるのでしょうか。
知事:そうですね。今,第1波がようやく収束して,社会生活や経済活動,日常が徐々に取り戻されてきている中で,一番大事なことは,また外出自粛とか休業要請とかということになる手前で,感染がなくならなくても,感染が仮に起きた場合でも,しっかり抑え込むということが一番大事なのかなと思っています。こういう取り組みをすることによって,そもそも感染対策の徹底を図っていく。かつ利用する方々に対しても,メールなどで知らせることによって,もしかしたら自分が無症状でも感染しているかもしれないという注意喚起をさせることができるし,行動抑制も自主的に行うことができるということ,もう一つは,例えば,今行われているのは,保健・医療などでも,PCR検査は,無症状の方でも,濃厚接触の可能性があったら全部,今,行っていますので,そういう形で,いかに感染者が見つかっても,素早く感染の可能性のある人を調査して,感染の広がりを抑え込むかということが一番大事なのかなと思っています。その中でこのツールは,今後,非常に有効なのではないかなと思っています。
読売:通知が行った場合に,例えば,保健所から何かコンタクトをとるとか,そういうことも有り得るのですか。
知事:保健所からコンタクトをとることはこのメールではしません。ただ,メールをもらった方々が保健所にご連絡いただくことは全然妨げるものではないので,多分,ご心配されて連絡してくる方が非常に多くなるのではないかなと思います。
読売:県関係の施設では,資料には食堂が出ていますが,どういったところで導入をするとかあるでしょうか。
知事:県の施設はどこで使うかはまだ決めていませんが,なるべく様々なところで登録できるようにしておきたいなと思います。
読売:感染者が出た際の感染者の行動調査の際に,このメールアドレスの登録を使うということはあるのでしょうか。
知事:メールアドレスの登録を使うということではなくて,感染者は保健所から調査をされるわけですよね。例えば,2週間前までどういうふうに行動されていましたかと。その中で立ち寄った場所とかが判明したら,そこに紐付くメールアドレスに対して連絡をするということになります。
読売:では,その感染者の方が例えばどこかのお店でこのキーワードを読み取っていたとして,その読み取っていたことを理由に,県が行動履歴を特定するみたいなことには使われないというか。
知事:そういう可能性もあるかもしれません。調査するときに,どこに寄ったかというときに,このお店に寄った。そのときに私も二次元コードを読みましたという情報があれば,それはメールの通知を当然できるという対象になりますので,そういうことも情報としては保健所の方から聞かれる可能性はあると思います。
読売:本人が言わなければ。
知事:本人には是非言ってほしいですけどね。
読売:はい,わかりました。
茨城:先ほどちょっとお話に出た風評被害についての懸念というところなのですが,施設名はメールで通知しないということですが,メールを受け取った方は,立ち寄った施設など幾つかあって,思い当たるところが何カ所かあったとしますが,そういったときに,そこから,例えばネットで思い当たる立ち寄った施設を何カ所か出してしまったりとかで,風評被害がそういうところから生まれる可能性もあるかと思うのですが,そのあたりの懸念は何かありますか。
知事:完全にそういう行動を制限することはできないので,それは発信者の方々の節度なり良識をある程度信頼するしかないのではないかなと思いますし,全ての個人的な情報発信を制限するすべもないですから,そこは,ある意味,不可抗力なのかなと思います。
茨城:ありがとうございます。
東京(幹事社):対象となる業種は,2枚目に書いてあるパチンコ店とかスポーツクラブ等とか,ここに上がっているものかなと思うのですが,例えば,休業要請の対象になっていた性風俗店とか,ああいったところも対象になるのですか。
知事:基本的に全部対象になるということです。
東京(幹事社):そうすると,そういうところは,多分,行ったことをあまり知られたくないという方が多くて,なかなか普及に当たっては壁になるかなと思うのですが,そういったところはどうやって登録してもらうということ。
知事:メールをもらいたかったら登録するのではないですかね。それを話すか話さないかは,その人次第かもしれませんが,自分がもしかしたらという不安を感じているのであれば,もしお店にそういう宣誓書が貼ってあれば,二次元コードを読み取るのではないですか。それは本人の意思に任せるしかないですけれども。私は,読み込む人も随分いると思いますよ。それは最も感染リスクの高い施設のうちの一つですからね。
東京(幹事社):県としては,そういったところに立ち寄ったということが絶対にわからないということですね。
知事:我々は知るよしがないので。
東京(幹事社):わかりました。ちなみに,いつからこれは始まりますか。
事務局:今日の正午からです。
東京(幹事社):わかりました。他に,各社さん,いかがですか。ありませんか。
朝日:例のステージ制の話で,ここ最近,東京の感染経路不明者がステージ2という状態になっていますが,現状の認識と,今後,ステージについての見直しについて,どのような手続き,どのような状況を見ながらという判断を考えているのかというところを教えてください。
知事:ステージの指標については全部で6つほど中身があるわけで,その6つを総合的に判断するということになっています。その中の一つとして,東京の感染者数は,今,ステージ2の状況まで拡大してきていますが,総体的に見れば,今,茨城県の感染状況をステージ1からステージ2に引き上げる必要はないと考えております。
また,特に,茨城県で感染者2名が最近出たわけですが,それらの濃厚接触者の調査の結果もほぼ全て陰性と判明しておりますので,以前に比べても,かなり積極的に疫学調査を無症状の方も含めて行っているはずなので,そういう意味では,茨城県の今の感染状況のステージは1のままでも,十分,認識としては合っているのではないかなと思っています。
東京:では,それ以外の質問に行きます。まず,幹事社の方からまたお願いします。
昨日,県民投票条例の条例案が否決されましたが,改めて知事の所感をお伺いできますでしょうか。
知事:今回,県民投票の条例制定という直接請求があって,県議会の方で様々な議論が行われたことというのは,結論についてはともあれ,私は,今後の東海第二発電所を県としてどのように考えていったらいいのかということを考える上で,有意義な議論が行われたのではないかなと認識しております。
今後,県議会で行われた議論などもしっかりと分析しながら,まずは安全性の検証,それから,実効性のある避難計画の策定に向けて,引き続き,努力をしていきたいと思っております。
東京(幹事社):あわせてですが,昨日,自民党さんの討論の中でもありましたが,県民から東海第二原発に関して意思表示の機会を望んでいることが示されたというような話もありまして,活発に議論を進めていくような発言があったかと思うのですが,知事として,この条例案が出されたことの意義というのでしょうか,そういうものはどうお感じになられているかということを。
知事:繰り返しになりますが,今までの県議会の議論をさらに活性化させたという意味で,非常に今回の直接請求は有意義であったのではないかなと思っています。
東京(幹事社):ありがとうございました。もう一つ,先日,福島第一原発の汚染水に関して,市長会と町村長会で国の担当者と意見交換をされたということですが,知事のお考えとして,白紙で検討してほしいというようなことを以前におっしゃっていたかと思うのですが,そのお考えは変わりはないですか。
知事:もちろん,結論ありきの検討ではそもそも問題であるというスタンスは変わりません。きちんとあらゆる可能性について検証して,最もベストの方法を検討いただくことが重要なのではないかなと私は考えております。
東京(幹事社):その時に来県された方が,以前にも,確か,知事のところへ来ていらっしゃるかと思うのですが,今回は会われたりして,何か国側から提示されたとか,そういうことはあるのでしょうか。
知事:いらっしゃって,市町村長の皆さんとどういう意見交換をされたのかという話を報告いただきました。
東京(幹事社):そこで改めて何か提示されたことは。
知事:特にありません。
東京(幹事社):無いですか。わかりました。幹事社からは,以上です。各社さん,どうぞ。
東京(幹事社):県民投票条例についてなのですが,知事は,意見書の中では,賛成,反対ということは明らかにはされませんでした。
今回,否決されたことについては,良かったと思っていらっしゃるのか,良くなかったと思っていらっしゃるのか,どちらでしょうか。
知事:否決されたかどうかというのは県議会の判断なので,私が良かったとか,悪かったとかという発言する立場には無いと思っています。
東京(幹事社):形式的ではありますが,提出者は知事ですよね。
知事:私は意見を付して提出するだけで,最終的に判断するのは県議会の判断で,その判断がどういうふうにされたかというその背景,あるいは,その議論の様々な中身についてはしっかりと受け止めさせていただきますが,良かったとか,悪かったとか,そういう二者択一的な質問にはお答えしかねます。
東京(幹事社):わかりました。それから,もう一つ,昨日,本会議後に,今回の否決という結果が,住民投票という選択肢を全て消すことにはならないということをおっしゃっていたかと思います。今後,また直接請求が行われるかもしれませんが,そういったことが無くても,知事が主導して条例案を出すこともできると思うのですが,将来的に再稼働の是非について判断しなければならない局面になった場合,知事が主導してそういった条例案を問うということは,選択肢としてありますでしょうか。
知事:どのような形で県民の皆様の意見をお聞きするかということについては,慎重に考えていきたいと思っています。
東京(幹事社):わかりました。ありがとうございます。
毎日:関連なのですが,先日の議会の討論で,原発の再稼働の地元同意について,現状では事業者との安全協定に基づくものですが,いばらき自民党の飯塚議員が,国が地元同意の法的な位置づけを明確にしていないということと,県は法的に不安定な位置づけだというふうに指摘されていますが,法律でこの地元同意について明確化すべきだとお考えでしょうか。
知事:現在,法律的には,明示的に県の同意を得なければならないということにはなっていないということをもってそういうご指摘が自民党の飯塚県議からあったと私も認識しておりますが,事実上,現在,行われている状況を見れば,それぞれ地元の同意が無い形で国が原発の再稼働を強行するということは無いわけで,法律上に位置づけをするか,しないかで,議論をする,ことさらの必要性は感じておりません。
ただ,原発の性格上,もし事故があったときの影響などを考えると,当然,地元の理解を前提とする必要があるというのは,政府もそういうふうに考えているからこそのこういう手続きになっているのではないかなと思いますし,そのこと自体は非常に重要であると思っています。
毎日:つまり,今のお話ですと,地元同意については,現状の安全協定のままで十分であるというふうにお考えですか。
知事:わざわざ今から法律を改正する必要は無いのではないかなと思っています。
毎日:ありがとうございます。
TBS:東海第二の再稼働について,先ほど,二者択一は難しいというようなお話もありましたが。
知事:いや,二者択一ではなくて,県議会の結論について,良いか悪いかということを私から発言することは控えたいということです。
TBS:今回,賛成か反対かのどちらかについてを県民に問うというような方法を議会で上げられたと思いますが,これは,賛成・反対以外,どちらでもないというような,県民もまだ答えも出ていない人もたくさんいると思いますが,二者択一というのはやはり再稼働には難しい判断なのでしょうか。
知事:その置かれた状況によるのではないでしょうか。要するに,安全基準がこういう形でクリアされました。こういう課題についてはこういうふうな対策を講じています。あるいは,こういう対策を講じても,ここについてはまだまだ100%とは言えません。そういう事実がしっかり,はっきり明らかにされて,実効性ある避難計画も,こういう避難計画をつくってあります。こういう問題についてはこう対応します。ただし,こういう状況になれば,こういうところは無理がありますとか,あるいは,ここに限界がありますとかということも含めて,つまびらかに,私は,事実をしっかりと提供して,県民の間での議論をきちんとしていただいて,その上での選択ということになると思います。
最終的な選択は,イエスかノーかということに最終的にならざるを得ないので,それも含めてどういうふうに情報提供して,議論をして,最後,県民の意思を確認するかということは,そういう状況になって,最適な方法を考えるということなのかなと考えています。
TBS:可能性として,県民,住民の方の賛成・反対というのが明確にならないまま,もちろん県民投票という手段もあると思いますが,賛成の人,反対の人,どちらでもない人という集約ができないまま,最終的に自治体の長の判断に委ねられると思いますが,その時は,何か方法はお考えはあるのでしょうか。
知事:様々な方法があるのではないでしょうか。アンケートとか,あるいは,議会の同意を住民の同意とみなすとか,様々な意見の吸い上げ方というのはあると思います。その組み合わせというのもあると思いますので,その状況によって,状況を見ながら,慎重に検討していく必要があると思っています。
TBS:ありがとうございます。
NHK:今回のこの県民投票条例の議会での審議の中でも,県民にどのように情報を提供していくのかですとか,自分事として議論を深めていくのかというのが大きな課題であるということが明らかになったかと思うのですが,県として,住民への情報提供,あるいは議論の機会,今後どのようにつくっていかれるか,取り組まれることを教えてください。
知事:県として,新たに,いわゆる30キロ圏内にお住まいの方に対して,別途,広報紙を発行して,詳細な再稼働に絡む情報提供を新たに行っていきたいと考えていますし,その他の地域の県内の方々に対しても,例えば,県の広報紙を使った情報提供などもさらに強化をしていく必要があるのかなと思っています。
経過も含めて,もうちょっと充実した情報提供をしていく必要があるのかなと思いますが,本格的には,例えば,安全基準について,様々な課題が,住民説明会などで指摘されたものも含めて,200以上の検証項目がまだ残っていますので,そういうものをしっかりと一つ一つ精査していく中で,適宜,情報提供を繰り返していくということと,あとは,例えば,今,コロナ感染症対策を踏まえた,実効性ある避難計画ができるのかというような問いかけも出てきているわけで,そういうものについても,その対策などもきっちりと詰めながら,そういうことについても情報提供を適宜していくということで,是非,県内の様々な方々での議論を活性化していきたいと思っています。
東京(幹事社):県民投票をやった場合,9億円ぐらいかかるというお話が県議会の審議の中でも出ました。お金がかからない手段として,毎年度,県が実施している県政世論調査の質問項目に加えてはどうかという意見も聞かれます。そういうことは,選択肢というか,お考えの一つにありますでしょうか。
知事:そういう個別の選択肢について,今,ここでコメントをできる段階ではないので,お答えを控えさせていただきたいと思います。
東京(幹事社):わかりました。
朝日:知事の判断のタイミングについての話で,県議会の中で,自民党さんが,少なくとも安全工事が完了する2022年末という言い方をしましたが,その認識というのは,知事の今お考えになっている200項目以上の点検であるとか,避難計画とかのスケジュールと考えると,そのあたりというのは,自民党の指摘というのはある程度妥当性があるものなのでしょうか。
知事:22年の末までは少なくとも無いということですね。22年の末どころではないと思いますけどね。もっと時間がかかると思います。実効性ある避難計画一つ取ってみても,5つの市町がつくったとはいえ,まだまだ実効性があるという評価をするにはほど遠い内容ですし,もっともっと時間がかかると私は認識しています。
朝日:そうしますと,当然,現在の知事の任期の中では,なかなかこのあたりというのは難しいということになりますね。
知事:私のこの任期ですか。
朝日:はい。
知事:それは絶対無理だと思っています。
朝日:そうすると,その場合は,次の任期なのか,あるいは,選挙の結果にもよりますが,後任に託すのかということを含めて,長期的にお考えになっているのですか。
知事:後任に託すことは私は考えられないので,少なくとも私の今期の任期中には有り得ないと思っています。
茨城放送:端的な質問で申しわけないのですが,正直,県民投票というのは今回でやりたかったですか。
知事:そういう質問にはお答えできません。
茨城放送:ありがとうございます。
茨城:全く違う質問なのですが,先日,日本遺産に牛久シャトーと笠間焼が認定されましたが,それについての所感と,それをどう活かしていきたいかということについてお願いします。
知事:コロナ感染症の第1波が収束して,これからいかに経済活性化を図っていくかという中で,特に観光業が非常に大きな課題となっている中で,タイミングよく牛久シャトーと笠間焼が日本遺産に選ばれたというのは非常に喜ばしいかなと思っています。
また,日本遺産としてはこれが最終だという話でもありますので,そういう中で選ばれて非常によかったと思いますし,このニュースを活かして,もっともっとアピールをすることにも県としても是非協力していきたいと思っています。
茨城:ありがとうございます。
毎日:先ほどのご発言の中で,後任に託すことは考えられないとおっしゃっていましたが。
知事:後任に託したら,私が例えば住民投票をするかどうかということを検討する立場ではなくなるので,考えることはできないですよねという話です。
毎日:再選出馬を表明したわけではないということですか。
知事:違いますよ。
毎日:ありがとうございます。
時事:これは全く別件なのですが,以前も伺ったのですが,政府の10万円なのですが,これは知事として受け取られたのか,また,その使い道などについて教えてください。
知事:受け取りました。受け取って,しっかりと茨城県の物品,あるいは食品で使っております。
時事:もう使い切ったということでしょうか。
知事:使い切ったかどうかは,お金に色はないので何とも言えませんが,使い切ったと思います。
時事:ありがとうございます。
朝日:別件の話で,事務方も来られているので,先日,例の産廃の最終処分場の問題の話で,地元への説明会が始まりました。直接は副知事ですけれども,副知事交代ということもありまして,知事にも報告が行っているかと思いますが,地元から上がってきた意見についてどのようなご感想をお持ちで,今後,地元の合意をどういうふうに取りつけていくのかというプロセスがあると思いますが,それに当たってどんなふうにお考えになっていますか。
知事:6月21日,初めての住民説明会ということで,その中で,渋滞,それから,騒音,様々な交通アクセスに絡むご不安が指摘されたという話,あるいは,放射性物質を含んだ指定廃棄物の取り扱いなどのご質問もあったというような話ですので,特に交通アクセスについては,しっかりと住民の皆様のお話なども踏まえながら,対策を打てるかどうかということについて,県としてもしっかり検討したいと思っています。
朝日:今,知事がお話しされた交通アクセスの話でいうと,正直,地元の要望でいうと,搬入路として別なルートを増やしてほしいとかという意見だったと思うのですが,そうなると,今,県が考えている事業規模を考えると,新たに道路みたいな話になると,とても200億円という規模では足りなくなってくる話で,このあたりについてはどうお考えでしょうか。
知事:必要な対策であるのであれば,費用が200億円という当初の見積もりよりも増えても,それは致し方がないのかなと思っています。
朝日:わかりました。
茨城放送:かなり前の質問になって申しわけがないのですが,新型コロナウイルス,東京に関しての部分で,県境を通じた人などの流入というのを再度規制するとか,そういうことというのは今のところ特に考えてはいないですか。それとも考えていますか。
知事:全く考えておりません。
東京(幹事社):よろしいですか。では,これで終わります。どうもありがとうございました。
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